日本地質学会第130年学術大会

講演情報

セッションポスター発表

J1. ジュニアセッション

[1poster69-93] J1. ジュニアセッション

2023年9月17日(日) 13:30 〜 15:00 Jr._ポスター会場 (吉田南総合館北棟1-2階)

[J1-P-16] 青森県階上町の震度はなぜ大きくなりやすいのか?

★日本地質学会ジュニアセッション奨励賞★

*青森県立 三本木農業恵拓高等学校1 (1. 青森県立三本木農業恵拓高等学校)

研究者氏名:赤崎友哉

筆者はテレビで地震速報をいつも見るうちに青森県階上町の震度が周辺地域よりも高くなりやすいのではないかという疑問を持った。そこでその疑問を検証するために気象庁が提供している震度データベースを活用し、過去10年間の地震を分析してみた。その結果、2013年以降階上町で震度2以上を記録した438回の地震のうち、階上町を取り囲む位置にある観測点5地点よりも階上町の震度だけが大きくなった地震は211回であり、その割合は48.1%にもなることが分かった。

次に、階上町の震度だけが大きくなる地震には何か規則性があるのではないかと考え438回の地震すべてについて、階上町から見た震源の方向やその俯角、震源距離を求めて分析した。その結果、階上町の震度が大きくなる地震は、階上町から見た方向で北方向に震源がある場合に起こりやすいことが判明した(図1)。なお俯角と震源距離には規則性は見られなかった。

最後に、階上町から見て北方向に震源がある場合に、階上町の震度が大きくなる原因を地質学的に分析した。20万分の1地質図幅「八戸」でこの地域の地質を確認すると、階上町の南部には階上岳を構成する巨大な白亜紀の花崗岩体が存在する。階上町の震度が大きくなる要素の1つとして、この花崗岩体が関係していると推測できる。