日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[I-29-04_06] 畜産物利用(I-午前)

2019年3月29日(金) 09:30 〜 10:00 第I会場 (8号館8301講義室)

座長:増田 哲也(日大院生資科)

09:50 〜 10:00

[I29-06] 北海道産食品由来乳酸菌の補助スターターとしての利用によるチーズの品質への影響

中村 正1, 高橋 明依1, 厚谷 昴将1, 高谷 政宏2, 葛西 大介2 (1.帯畜大生命食料, 2.とかち財団)

【目的】乳酸菌スターターによる差別化されたチーズの開発に向けて,地域資源から分離した乳酸菌の補助スターターとしての効果について検討を行うことを目的とした.【方法】補助スターターには北海道産食品由来のLb. paracasei, Lb. rhamnosusおよびLb. curvatusを用いた.主要スターターとしてCHN-11(CHR HANSEN社)を0.1U/L添加して製造したゴーダチーズ(対照区)およびCHN-11と同時に各補助スターターを1×105cfu/mLとなるよう添加して製造した3種のチーズを試料として用いた.各チーズの乳酸菌数,遊離アミノ酸含量を経時的に測定するとともに,GridION X5による菌叢解析,味覚センサーならびに食味試験による評価を行った.【結果】乳酸菌数は対照区で1×107cfu/g,補助スターター添加チーズではいずれも1×108cfu/g程度であった.菌叢は,製造直後の全てのチーズでLc. lactis subsp. lactisが主要菌種として同定されたが,1ヶ月以降の対照区ではこの他にLeu. mesenteroidesが,補助スターター添加チーズでは,更に添加した各乳酸菌がそれぞれ同定された. 食味試験において最も嗜好性が高かったチーズは,Lb. paracasei添加チーズであり,対照区と比較して遊離グルタミン酸量が高く,味覚センサーにおいても高い旨味強度を示した.