日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[II-29-04_06] 栄養・飼養(II-午前)

2019年3月29日(金) 09:30 〜 10:00 第II会場 (8号館8302講義室)

座長:三森 眞琴(農研機構畜産部門)

09:40 〜 09:50

[II29-05] イネホールクロップサイレージ「たちすずか」・「たちあやか」・「つきすずか」の栄養価および粗飼料価指数

樋口 浩二1, 野中 最子1, 大谷 文博1, 大澤 玲2, 高橋 仁康3 (1.農研機構畜産部門, 2.埼玉農技セ, 3.農研機構九沖農研)

【目的】近年,「たちすずか」に続く茎葉型の飼料用イネ品種が育成されており,また微細断型収穫機による高品質なホールクロップサイレージ(WCS)調製の取り組みも行われている.そこで本研究ではこれらの新しい品種および調製方法によるイネWCSの乳牛における飼料成分の利用性ならびに粗飼料価指数(RVI)を明らかにすることを目的とした.
【方法】埼玉県下圃場においてほぼ同一条件で栽培され,同時期に微細断型収穫機により収穫・調製した3品種のイネWCS,「たちすずか」,「たちあやか」および「つきすずか」を供試した.これらをルーメンフィステル装着のホルスタイン種乾乳牛4頭に,代謝エネルギーで維持量程度を1期2週間の3×3ラテン方格法に従って給与し,開放型呼吸試験装置によるエネルギーおよび窒素出納,ルーメン液性状ならびにRVIを測定した.
【結果】「たちあやか」の繊維成分は他より若干少なく,「つきすずか」の灰分は他より多かったが,その他についてはほぼ同等の飼料成分であった.ルーメン液性状ならびにRVIには飼料間の大きな差は見られなかった.可消化養分総量(TDN),可消化エネルギーおよび代謝エネルギー(MJ/kg乾物)はいずれも「たちすずか」「たちあやか」「つきすずか」の順に高く,TDNおよびRVIの値は順に59.0,58.2,56.8(%乾物)および86,84,79(min/kg乾物摂取量)であった.