日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[II-29-28_30] 栄養・飼養(II-午後)

2019年3月29日(金) 14:40 〜 15:10 第II会場 (8号館8302講義室)

座長:永西 修(農研機構畜産部門)

15:00 〜 15:10

[II29-30] 放牧泌乳牛への夏季のコーンサイレージ補給量が草地構造と乳生産に及ぼす影響

渡邊 桃子1, 三谷 朋弘2, 河合 正人2, 上田 宏一郎1 (1.北大院農, 2.北大FSC)

【目的】全放牧期間を通しコーンサイレージ(CS)を一定量補給するよりも,夏季に補給量を高めることで,夏季後半の牧草の再生長が促進され牧草由来の乳生産量が高まることを報告した(日畜124回大会,2018).春季でCS補給をしない場合の夏季のCS補給量が草地構造と乳生産に与える影響を検討した.【方法】夏期(6/30~8/25)にCSを日量30kg(CS30区)もしくは15kg(CS15区)を給与する2区にホルスタイン種泌乳牛各6頭ずつ配置した.秋期(8/25~10/19)のCS給与量は,CS30区およびCS15区それぞれ日量15kgおよび30kgとした.各区それぞれ2haのペレニアルライグラス主体草地に定置放牧した.【結果】夏期では,CS30区ではCS15区に比べ,草量(tDM/ha)が高く(3.2 vs. 2.7),分げつ密度(千本/m2)が多く(6.5 vs. 5.4),牧草再生速度(kgDM/ha/日)は高かった(66 vs. 37).秋期では,CS30区はCS15区に比べ,草量が多く(1.9 vs. 1.7),分げつ密度は一定で高い値が維持された(6.8 vs. 4.9).乳量は,CS30区ではCS15区よりも夏期中盤から秋期中盤にかけて高く推移した(夏期:25.7 vs. 21.1,秋期:21.9 vs. 18.4 kg/日).乳成分は全期を通し区間差は認められなかった.