日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[IX-29-01_03] 遺伝・育種 (IX-午前)

2019年3月29日(金) 09:00 〜 09:30 第IX会場 (8号館8502講義室)

座長:山田 宜永(新潟大農)

09:20 〜 09:30

[IX29-03] 複数の黒毛和種集団を用いたSLC27A6遺伝子多型のBMSに対する効果の検討

山本 雷斗1, 川口 芙岐1, 秋山 敬考2, 吉田 恵実2, 小浜 菜美子2, 小林 栄治3, 大山 憲二1, 万年 英之1, 笹崎 晋史1 (1.神戸大院農, 2.兵農技総合セ, 3.農研機構)

【目的】以前我々は兵庫県黒毛和種集団において,BTA7上のSLC27A6遺伝子多型(K81M)がロース脂肪割合に効果があることを報告した.本研究では複数の黒毛和種集団を用いてBMSに対する効果の検証を行い,DNAマーカーとしての可能性を検討することを目的とした.【方法】対象集団として,兵庫県黒毛和種441頭,A県黒毛和種560頭,B県黒毛和種461頭,現場後代検定牛450頭を供試した.これら4集団においてTaqMan法によるK81M多型の遺伝子型判定を行い,統計分析によって,各集団におけるBMSに対する効果を調査した.【結果】遺伝子型判定の結果,各集団でのAアリル頻度は兵庫県で0.270,A県で0.229,B県で0.534,現場後代検定牛で0.498であった.BMSに対する関連解析の結果,兵庫県集団でp=0.006となり,過去の報告通り非常に高い関連が認められた.A県および現場後代検定牛では5%水準で効果が認めれたが(それぞれp=0.023,0.044),B県ではp=0.559と効果が認められなかった.またTurkey-KramerのHSD検定の結果,遺伝子型間に有意差が認められ(p<0.05),いずれの集団においてもAアリルはTアリルに比べて,BMSが高い傾向にあることが確認された.以上により本多型は,黒毛和種集団において脂肪交雑に対する有用なマーカーとなり得ることが示唆された.