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[IX29-22] 段階的な食餌性リジンレベルが鶏肉の主呈味成分及びドリップロスに与える影響
【目的】食餌性リジン(Lys)と肉質の関係について我々はこれまでにLys添加による筋肉遊離Gluの増加(2015),Lys量の制限によるGluの増加(2017)及びLys添加に伴うドリップロス抑制の可能性(日畜学会122回大会)を報告した.しかし段階的なLysレベル間の比較,最新の飼料アミノ酸推奨量との関係,また熟成時のpHは未報告であった.本研究ではLys調節飼料を給与し,浅胸筋の遊離アミノ酸,ドリップロス,pH等への影響を検討した.【方法】28日齢Chunky系雌ブロイラーを供試し,試験飼料はRoss栄養基準(2014)に準じ,Lys量は要求量(1.16%)の70%(低Lys),100%(対照)及び150%(高Lys)に調整した.飼料は10日間自由摂取し,採血後,浅胸筋を得た.浅胸筋は4℃で0及び48時間の熟成を行い,各種測定に供した.評価項目は飼育成績,血漿及び浅胸筋遊離アミノ酸量,浅胸筋pH及びドリップロスとした.【結果】Lysレベルによる遊離Glu量の変動が熟成0及び48時間で見られた.ドリップロスは高Lys区で有意に減少した(P < 0.01).また低Lys区では48時間のpHが有意に減少した(P < 0.01).これらの結果から,Lysは筋肉及び血漿の遊離アミノ酸のみでなくドリップロス及びpHにも影響し,肉質に関与する可能性が示唆された.