日本畜産学会第125回大会

講演情報

ポスター発表

[P-29-01_19] 一般演題(ポスター発表)<栄養・飼養>

2019年3月29日(金) 09:00 〜 15:30 ポスター会場・展示 (大教室)

[P29-16] 離乳期仔ブタへのアラビアガム給与による”Leaky gut”改善の可能性

川瀬 貴博1, 荒木 徹2, 塚原 隆充1 (1.栄養・病理研, 2.ネキシラ)

【目的】アカシア樹液を精製した水溶性食物繊維であるアラビアガム(AG)は,ヒト用健康食品として幅広く流通している.その生理効果のひとつとして,”Leaky gut”の改善が培養細胞を用いた実験で示唆されている.一方ブタは,離乳後に膜透過亢進が起こることが知られており,成長阻害因子のひとつとして知られている.離乳期仔ブタへAGを給与したところ増体が改善したという報告があり,これらの効果が”Leaky gut”改善にある可能性を考え,以下の検討を行った.
【方法】同腹のWLD系去勢オス6頭を30日齢で導入した.1週間の馴化後,体重及び膜透過性を基準に2群に群れ分けし,群毎に豚房へ収容した.1群にはアラビアガム(ファイバーガムフィード,ネキシラ製)を0.15 % (w/w)飼料中に添加して不断給与した.もう一方は無添加対照群とした.2週間の飼育後,ラクチュロース(L)及びマンニトール(M)溶液を強制経口給与し,4時間後に頸静脈から採血を行った.血漿中のL及びM濃度を超高速液体クロマトグラフィータンデム質量分析計で測定し,得られた結果からL/M比を算出して膜透過性の指標とした.
【結果及び総括】AG給与によって,末梢血中のL/M比が対照群の平均値と比較して低値を示した個体が3例中2例で認められた.現在,継続して給与試験を行っており,その後の推移についても報告を行う予定である.