日本畜産学会第125回大会

講演情報

ポスター発表

[P-29-20_38] 一般演題(ポスター発表)<繁殖・生殖工学>

2019年3月29日(金) 09:00 〜 15:30 ポスター会場・展示 (大教室)

[P29-21] 黒毛和種繁殖雌牛における分娩後の栄養状態と繁殖成績との関連および3D画像による栄養状態の客観的評価

鍋西 久1, 根岸 菜都子1, 山崎 淳1, 餌取 直輝2, 名取 隆廣2, 相川 直幸2 (1.北里大獣, 2.東京理科大)

【目的】肉用牛繁殖経営においては分娩間隔の短縮が重要な課題であるが,黒毛和種における栄養状態と繁殖成績との関連についての知見は少ない.また,外貌から栄養状態を評価する既存の手法は主観的であり,判定者によって評価が異なることもある.本研究では,分娩後の栄養状態と繁殖成績との関連を検討するとともに,3D画像による栄養状態の客観的評価を試みた.【方法】[試験1]青森県内の民間農場で飼養されている黒毛和種繁殖雌牛55頭を用い,分娩後3ヶ月間にわたり月一回の栄養度評価と採血を実施し,繁殖成績との関連を検討した.[試験2]分娩後の黒毛和種繁殖雌牛15頭の後躯外貌を3Dカメラで撮影し,腰骨と座骨の輪切り画像を抽出してそれぞれの角度を測定し,栄養度との関連を検討した.【結果】[試験1]分娩後3ヶ月間の平均栄養度と初回交配日数との関連については,栄養度4が栄養度5と比較して有意に延長した(P<0.05).また,分娩後3ヶ月間における栄養度のトレンドが低下傾向で推移した個体において延長傾向にあった.[試験2]3D画像から得た腰角の角度と栄養度との間には有意な正の相関(r=0.59)が認められた.【結論】外貌から判断できる栄養状態が繁殖成績に影響することを明らかにするとともに,3D画像による栄養状態の客観的評価の有用性を示した.本研究は「生産性革命に向けた革新的技術開発事業」の支援を受けた.