日本畜産学会第125回大会

講演情報

ポスター発表

[P-29-20_38] 一般演題(ポスター発表)<繁殖・生殖工学>

2019年3月29日(金) 09:00 〜 15:30 ポスター会場・展示 (大教室)

[P29-27] マウス精巣におけるNRTNの発現解析

吉田 剛大, 垣内-米澤 一恵, 久保田 浩司 (北里大獣)

【目的】継続的な精子形成は,精原幹細胞(SSC)の自己複製により維持されている.これまでにマウスSSCの自己複製はグリア細胞株由来神経栄養因子(GNDF)に依存し,線維芽細胞増殖因子2 (FGF2)がGDNFの効果を増強することを示してきた.一方で自己複製を促す他の液性因子の存在も示されており,本研究では,GDNF Family Ligands(GFLs)の一つであるニュールツリン(NRTN)のマウスSSCの増殖因子としての可能性を検討した.【方法】1-8週齢のC57BL/6マウスの脳,肝臓,肺,腎臓,心臓,精巣からタンパク質抽出液を調整し,抗NRTN抗体を用いたウエスタンブロット(WB)解析を行った.また1-8週齢のマウス精巣においては,qRT-PCR法によりGFLs及びそのレセプターの発現を解析した.NRTNのSSCに対する増殖効果はC57BL/6マウス由来SSCの無血清培養系にて評価した.【結果】WB解析の結果,全週齢において,分泌型NRTNの発現量は精巣で最も高かった.また1-8週齢の精巣のqRT-PCR法では,Nrtn発現量に変化は見られなかったが,NRTNレセプターGfra2は1週齢において発現が最も高く,その後減少した.さらに無血清条件下でNRTNがSSCの自己複製をサポートすることが明らかとなった.