日本畜産学会第125回大会

講演情報

ポスター発表

[P-29-48_57] 一般演題(ポスター発表)<畜産物利用>

2019年3月29日(金) 09:00 〜 15:30 ポスター会場・展示 (大教室)

[P29-56] PacBio RS IIによるGABA高産生Lactococcus lactis subsp. lactis biovar diacetylactis 01-7の完全長ゲノム配列

中西 哲大1, 野村 将2, 鈴木 チセ2, 小林 美穂2, 萩 達朗2, 守谷 直子2, 中野 和真1, 城間 安紀乃1, 保 日奈子1, 新里 美寿々1, 下地 真紀子1, 南 茉緯子1, 安次嶺 典子1, 大木 駿1, 照屋 邦子1, 佐藤 万仁1, 平野 隆1 (1.沖縄綜研, 2.農研機構畜産部門)

【目的】γ-アミノ酪酸(GABA)生成力が強いL. lactis subsp. lactis biovar diacetylactis 01-7株は,発酵乳中にGABAに加えてオルニチンやシトルリン,アンジオテンシンI変換酵素阻害ペプチド等を生成した.本研究では01-7株のゲノム配列を解読し,その特徴を明らかにする.
【方法】01-7株対数期菌体を溶菌処理後,フェノール処理とエタノール処理により高純度の長鎖ゲノムDNAを調製した.これを用いて20 kbライブラリを作成し,1分子リアルタイムシーケンサーPacBio RS IIを用いてシーケンス解析を行った.
【結果】染色体(2,47 Mb,GC% 35.03)とプラスミド(38.7 kb,27.4 kb,14.4 kb,14.2 kb,14.0 kb,13.6 kb)の環状配列が構築された.01-7株染色体はL. lactis IL1403と最も高い相同性(カバー率95%, 同一性99%)を示した.プラスミドはBLAST検索でのtop hitが異なり,互いに相同な配列がなかったので,それぞれ独立したプラスミドと考えられた.また,電気泳動にて2.5 kb付近にバンドが観察されたが,これに対応するプラスミドは構築されなかった.そこで当該バンドを切り出し,大腸菌クローニングにより8.3 kbの環状配列を決定した.このプラスミドはクエン酸取り込みに関わるcitP遺伝子をコードしていた.