日本畜産学会第125回大会

講演情報

ポスター発表

[P-29-62_64] 一般演題(ポスター発表)<管理・環境>

2019年3月29日(金) 09:00 〜 15:30 ポスター会場・展示 (大教室)

[P29-62] 自作可能な採食行動計測用ロガー

梅村 和弘1, 山本 政博2 (1.農研機構北農研, 2.パナソニック(株))

【目的】放牧牛の採食行動は,顎の動きに伴う加速度を計測することで記録できる.一方,近年は安価で精度の高い加速度センサーの入手が容易である.そこで,自作可能,長期間運用,小型,軽量,安価,という条件を満たす採食行動計測用ロガーの製作を試みた.
【方法】防水ケース(W53,D65,H36mm)に3軸加速度センサー(ADXL345),マイコン(PIC18F2620),マイクロSDカード,電池(塩化チオニルリチウム電池,単3形2本)を入れ,GPS受信機(GPS_UP501)と共に首輪の最下部に取り付けた.本機の重量は,ベルト・バックル・電池を含め250gとなった.採食時の加速度(前後軸)を約20Hzの頻度で計測し,移動平均(SMA)を取り,設定した閾値でカウント数に換算し,マイクロSDカードに記録した.同時に目視により,採食時の喫食回数を計測した.反芻行動(左右軸)も同様に記録した.
【結果】本機は,わずか10個ほどの電子部品で構成でき,経費も1台数千円程度であったことから,誰でも容易に製作し,放牧行動を経時的に計測することができる.計測可能期間は電池容量に依存し,1週間以上であった.一方,5頭の搾乳牛を2回ずつ計測し,目視計測した喫食回数と,加速度計のカウント数との相関関係をみると,SMAを基準値とすれば,寄与率の高い直線的な関係が得られた.反芻行動も同様な結果が得られた.