日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[VI-29-04_06] 遺伝・育種(VI-午前)

2019年3月29日(金) 09:30 〜 10:00 第VI会場 (8号館8402講義室)

座長:口田 圭吾(帯畜大)

09:50 〜 10:00

[VI29-06] 北海道のホルスタイン種における最良予測法を用いた分娩後695日までの累積乳量の予測精度

山口 諭1, 増田 豊2, 武田 尚人3, 萩谷 功一4, 山崎 武志5, 中川 智史1, 阿部 隼人1, 後藤 裕作6, 馬場 俊見6, 川上 純平6, 河原 孝吉6 (1.北酪検, 2.ジョージア大, 3.農研機構畜産部門, 4.帯畜大, 5.農研機構北農研, 6.日ホ北支局)

【目的】長い乳期における累積乳量の予測手法を確立するにあたり,累積日数を最大695日までの範囲で変更し,累積乳量の予測精度を調査した.
【方法】北海道における初産から3産のホルスタイン種の牛群検定記録を分析に用いた. 累積乳量は,最良予測(BP)法を用いて予測した日乳量を加算することで分娩後305日,365日,395日,495日,595日および695日を用意した.BP法に用いた事前情報は,各分娩後日数の平均日乳量と30日間隔で設定した泌乳ステージ間の日乳量における分散共分散である.平均日乳量は,305日までを牛群ごとの泌乳曲線,306日以降を乳量階層ごとの直線より算出した.予測精度は,累積日数までの全ての検定記録に検定日間隔法を適用して算出した累積乳量を真の値と仮定し,決定係数(R2),偏りおよび√MSEを指標とした.
【結果】分娩後1回目の検定から予測した各累積乳量の精度は,R2が0.479から0.673,偏りが-2,634から-521kg(過小推定),√MSEが1,132kgから3,953kgの範囲であり,予測期間が短いほどR2が高く,偏りと√MSEが小さかった.完成記録の精度は,R2が0.997から0.999,偏りが25kgから40kg,√MSE が86kgから123kgであった.本分析ではBP法を応用することで,305日以上の長い乳期に対する累積乳量を予測できることが示唆された.