The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[VIII-29-14_15] 形態・生理(VIII-午前)

Fri. Mar 29, 2019 11:10 AM - 11:30 AM 第VIII会場 (8号館8501講義室)

Chairman:Tomohito Iwasaki

11:10 AM - 11:20 AM

[VIII29-14] ニワトリの味覚におけるカルシウム感知受容体CaSRの機能

Kawabata Fuminori1, Omori Hikaru2, Kawabata Yuko3, Nishimura Shotaro2, Tabata Shoji2 (1.Faculty of Agr. and Life Sci., Hirosaki Univ., 2.Faculty of Agr., Kyushu Univ., 3.Grad. Sch. of Dent. Sci., Kyushu Univ.)

【目的】ニワトリの味覚生理の理解はニワトリの新たな飼養法の確立に重要である.Calcium-sensing receptor (CaSR) は細胞外カルシウムイオン受容体として発見されたが,グルタチオンやγ-グルタミルペプチド等のコク味物質も受容する受容体であることが明らかとなった.ニワトリにとってカルシウムは必須の栄養素であり,カルシウムの味を口腔内で感知して適量を摂取する仕組みがあると考えられるが,その分子メカニズムは不明である.本研究ではニワトリCaSRの機能を明らかにすることを目的とした.【方法】はじめに,ニワトリが餌に含まれているカルシウムを食べ分けることができるか行動学的に解析した.次に,腎臓からCaSR遺伝子をクローニングし,ニワトリCaSRの発現ベクターをHEK293T細胞にトランスフェクションしてニワトリCaSR発現細胞を構築した.この細胞を用いてカルシウムイメージングを行い,ニワトリCaSRの機能解析を行った.【結果と考察】行動試験により,ニワトリは適量のカルシウムが含まれた餌を好んで摂取した.また,ニワトリCaSRはカルシウムイオン,マグネシウムイオン,数種のコク味ペプチド,数種のL-アミノ酸によって活性化することがわかった.これらの結果より,ニワトリは口腔内のCaSRによってカルシウムやコク味物質,L-アミノ酸等の物質を味として認識している可能性が考えられた.