The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[VIII-29-14_15] 形態・生理(VIII-午前)

Fri. Mar 29, 2019 11:10 AM - 11:30 AM 第VIII会場 (8号館8501講義室)

Chairman:Tomohito Iwasaki

11:20 AM - 11:30 AM

[VIII29-15] 母ドリ卵黄へのIgY抗体の輸送に受容体は関与するのか―FcRY受容体による制御―

Tatsumi Fumiya, Matunami Kanako, Kobayashi Misato, Horio Fumihiko, Murai Atsushi (Nagoya Univ.)

【目的】母ドリの血中IgY抗体は選択的に卵黄へ輸送されるが,その仕組みは不明である.卵黄へのIgY輸送に受容体が関与することを証明するために,ウズラに大量の外因性IgYを投与し,体内での競合的拮抗を試みた.さらに既知のIgY受容体であるFcRYが卵黄へのIgY輸送に関わるかを調査した.
【方法】実験1:ウズラIgY-Fcの野生型(WT),卵黄への輸送効率が異なる2種類の変異体(Y363A,G365A)を作出した.4群の産卵ウズラにジゴキシゲニンで標識したWTを投与(i.v.)した.そのうちの3群には,50および125倍量の未標識のWT,Y363A,G365Aを同時投与した.血中と卵黄中の標識WTの濃度をELISAで測定した.実験2:ウサギ抗FcRY抗体を標識WTとともに産卵ウズラに投与した.
【結果】実験1:未標識IgY-Fcを投与した全ての群で,血中と卵黄中の標識WTの濃度が低下し,競合的拮抗が生じた.しかし,卵黄へのIgY-Fcの輸送効率(G365A>WT>Y363A)が低下するにつれて拮抗が生じにくくなった.実験2:対照群と比較して,抗FcRY抗体投与群で血中の標識WT濃度が著しく低下し,それに同調して卵黄中濃度も低下した.
【総括】血中のIgY濃度と卵黄へのIgY輸送の制御に受容体が関る可能性が示された.また,FcRY受容体が血中IgY濃度の制御に深く関与することが判明した.