日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[XIII-29-06_08] 管理・環境(XIII-午前)

2019年3月29日(金) 09:50 〜 10:20 第XIII会場 (8号館8601講義室)

座長:河合 一洋(麻布大獣)

10:10 〜 10:20

[XIII29-08] 固液分離および曝気処理が牛糞尿スラリー中の低級脂肪酸生成に及ぼす影響

花島 大 (農研機構北農研)

【目的】堆肥の水分調整に用いるオガクズや麦稈などの副資材が高騰していることから,固液分離機による水分低減処理が選択肢の一つになっている.固液分離後のスラリーは貯留後に圃場散布されるが,スラリーからの固形物の除去は貯留期間中の悪臭生成に影響を及ぼすと考えられる.そこで本研究では,異なるメッシュサイズで固液分離したスラリーを貯留,または曝気処理後に貯留した時の,スラリーの主要な悪臭成分である低級脂肪酸(VFA)濃度の変化を測定した.【材料および方法】牛糞,尿および水の混合物を,10,2および0.5mmのメッシュで濾過した3種類のスラリーを作成した.スラリーを室温で静置した静置区,およびスラリーを50 mL/min/Lの割合で3日間曝気処理し,その後室温で静置した曝気区の計6区を設け,45日後のVFA濃度(C2-C5)を測定した.【結果】貯留後の総VFA濃度は,10mmメッシュ静置区が16,616ppmと最も高く,以下2mm,0.5mmメッシュ静置区の順であり,固形分の除去割合が高いほど総VFA濃度が低くなる傾向にあった.曝気区では,曝気処理直後に10mmメッシュ曝気区において総VFA濃度が268ppmまで低下したが,貯留後には5,018ppmまで上昇した.一方で2mmおよび0.5mmメッシュ曝気区における貯留後の総VFA濃度の増分は,10mmメッシュ曝気区の半分程度であった.