日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[XIV-29-13_15] 畜産物利用(XIV-午前)

2019年3月29日(金) 11:00 〜 11:30 第XIV会場 (8号館百周年記念ホール)

座長:北澤 春樹(東北大院農)

11:00 〜 11:10

[XIV29-13] Lactobacillus gasseri LA158が生産するバクテリオシン(ガセリシンT)の高生産条件の検討

長嶋 曜1, 安久 恭子2, 五十嵐 愛恵2, 脇本 彩加1, 川井 泰1, 増田 哲也1 (1.日大院生資科, 2.日大生資科)

【目的】Lactobacillus gasseri LA158が生産するガセリシンT(GT)は,食品汚染菌への抗菌効果を有することや,プロテアーゼによって容易に分解される性質から,食品保存剤としての応用が期待されている.本研究では,食品利用へ向けて効率的にGTを取得するために,LA158を以下の条件(初期培養pH・培養時間・培養温度)にて培養し,GTの高生産条件について検討した.【方法】GT生産株であるL. gasseri LA158を,初期培養pH(6.0~8.0)・培養時間(24 hまたは48 h)・培養温度(30℃または37℃)の各条件を組み合わせて培養を行い,抗菌活性値を測定した.【結果】初期pH 6.5に調整した培養では,GTの通常活性値(初期培養pH 6.2)である15,800 AU/mLを上回る2,860,000 AU/mLの抗菌活性値が得られた.また,pH 7.0や8.0調整においても通常と比べて抗菌活性値の上昇(2,180,000および751,000 AU/mL)が確認された.次いで,48 hや30℃の培養条件では通常よりも高い抗菌活性を示す場合があるものの,24 h・37℃条件と比べて安定した活性値を得ることは困難であった.以上の結果から,GTをより効率的かつ安定的に生産するには,初期培養pH 6.5~7.0・24 h・37℃の培養条件が最良と考えられた.