日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[XIV-29-31_34] 畜産物利用(XIV-午後)

2019年3月29日(金) 15:30 〜 16:10 第XIV会場 (8号館百周年記念ホール)

座長:小宮 佑介(北里大獣)

16:00 〜 16:10

[XIV29-34] 十勝若牛における個体情報と一般型官能評価との関連性調査

濱中 珠華1, 安藤 智孝2, 吉国 泰輔3, 口田 圭吾1 (1.帯畜大院, 2.十勝清水コスモスファーム, 3.十勝清水フードサービス)

【目的】十勝若牛は,北海道清水町における6戸の農家で限定生産されているホルスタイン種若齢肥育牛である.本研究では,十勝若牛における個体情報と一般型官能評価との関連性を調査した.
【材料および方法】2015年4月から11月に出荷された十勝若牛849頭を用いて,各個体の個体情報(性別,子牛導入価格,耳洗い措置の有無,ゲリ回数および異動情報)を抽出した.一般型官能評価試験には,約1 cm厚の胸最長筋ステーキ肉を用いた.パネリストは十勝若牛の食肉加工工場職員であり,一個体につき2名以上で評価した.評価項目は,「旨み」「香り」「脂の香り」「やわらかさ」「ジューシーさ」であった.統計分析はSASのMIXEDプロシジャを用いて,パネリストをランダム効果に含んだ分散分析を行った.
【結果】去勢失宜の個体は,すべての官能評価項目に対して去勢(睾丸全摘出)の個体よりも有意に低い評価を示した(P < 0.05).子牛導入価格は,「旨み」「脂の香り」「やわらかさ」および「ジューシーさ」に対して有意な効果を示し,10,000~29,000円の価格帯で導入された個体は,50,000円以上で導入された個体よりも有意に評価が高かった(P < 0.05).異動情報について,出生からと畜までの期間において家畜市場取引への異動が無かった個体は,異動があった個体と比較して「香り」の評価が有意に高かった(P < 0.05).