日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

5. 畜産物利用

畜産物利用1

2021年9月15日(水) 08:50 〜 12:00 畜産物利用 (オンライン)

座長:水野谷 航(麻布大獣)、有原 圭三(北里大獣医)、小宮 佑介(北里大獣医)、下里 剛士(信州大)、荒川 健佑(岡山大院環境生命)

[V-15-02] 一般消費者が牛肉を外観から「赤身型」「しもふり型」と判定する脂肪交雑度の境界値の推定

*佐々木 啓介1、石田 翔太1、渡邊 源哉1、本山 三知代1、中島 郁世1、Anne Duconseille1、成田 卓美1、松永 将伍2、駒井 周太朗3、吉田 美結4、田島 淳史3、宮口 右二4、口田 圭吾5 (1. 農研機構畜産研究部門、2. 長崎農技セ、3. 筑波大生物資源、4. 茨城大農、5. 帯畜大畜産)

【目的】近年「赤身肉」に注目が集まっている。「赤身肉」の品質を一般消費者のニーズに対応し的確に評価・アピールするには、一般消費者がどのような外観の牛肉を「赤身型」と認知するかに基づく「赤身肉」の定義が必要である。そこで本研究では、一般消費者が牛肉を「赤身型」と認知する脂肪交雑度について、画像を用いたアンケートによる推定を試みたので報告する。【方法】品種、部位、および脂肪交雑の度合いが異なる計23種の牛肉サンプルを皮下脂肪や筋間脂肪を除き4cm×5cm×4mmに整形し、画像を撮影するとともに、脂肪面積割合と脂肪含量を測定した。この画像を実物大に印刷して一般消費者40名に配布し、それぞれについて「赤身型」「しもふり型」のいずれかを判定させた。回答データの解析にはサンプルの脂肪面積割合もしくは脂肪含量を説明変数とした一般化線形混合モデルを用い、「赤身型/しもふり型」の判定の境界値となる脂肪面積割合および脂肪含量を推定した。【結果】脂肪面積割合と脂肪含量はいずれも「赤身型/しもふり型」判定に有意(P<0.001)な影響を及ぼした。これらモデルから推定された一般消費者における「赤身型/しもふり型」判定の境界値は脂肪面積割合および脂肪含量についてそれぞれ18.9%および14.1%であり、一般消費者が牛肉を外観から「赤身型」と認知するには少なくともこれらの値を下回る必要があると考えられた。