14:30 〜 14:40
[II-19-07] クリプトスポリジウム症罹患子牛における便性状に着目した消化管内微生物叢の解析
目的 クリプトスポリジウム原虫(Cr)は子牛の主な下痢の病原体であり、家畜生産性に大きな影響を与えている。これまでにCr感染による下痢の増悪因子として腸内細菌叢の変化が示唆されている。近年、子牛における下痢症の治療法の一つとして腸内細菌叢移植法(FMT)が検討されているが、どのようなドナーの細菌叢が、下痢を発症しているレシピエントに対して有効かといった情報は少ない。本研究ではCr感染しながら臨床症状を示さない個体がFMTに最適なドナーとなりうるか、糞便細菌叢を解析することで検討した。
方法 同一環境で飼育されていた約2週齢の黒毛和種牛またはホルスタイン種と黒毛和種の交雑種子牛の計31頭の糞便を用いた。これらの牛について糞便採取時、糞便性状の確認及びCr抗原検査を行い、Cr抗原陽性糞便のうち下痢便24検体と正常便5検体について細菌叢を解析した。
結果 Cr感染していても下痢症状を示さない子牛の糞便中細菌叢は、Cr感染し下痢を発症している子牛と比較し、α多様性が高いこと、また糞便性状が下痢から正常便に変化する中で糞便細菌叢のα多様性は変化しないが、細菌叢構成が大きく変化することが示された。Cr感染をしながら下痢症状を示さない理由の一つとして、特定の細菌叢が関与している可能性が考えられた。以上よりCr感染している非下痢症の子牛がCr感染下痢症の子牛に対する最適なFMTドナーである可能性が示された。
方法 同一環境で飼育されていた約2週齢の黒毛和種牛またはホルスタイン種と黒毛和種の交雑種子牛の計31頭の糞便を用いた。これらの牛について糞便採取時、糞便性状の確認及びCr抗原検査を行い、Cr抗原陽性糞便のうち下痢便24検体と正常便5検体について細菌叢を解析した。
結果 Cr感染していても下痢症状を示さない子牛の糞便中細菌叢は、Cr感染し下痢を発症している子牛と比較し、α多様性が高いこと、また糞便性状が下痢から正常便に変化する中で糞便細菌叢のα多様性は変化しないが、細菌叢構成が大きく変化することが示された。Cr感染をしながら下痢症状を示さない理由の一つとして、特定の細菌叢が関与している可能性が考えられた。以上よりCr感染している非下痢症の子牛がCr感染下痢症の子牛に対する最適なFMTドナーである可能性が示された。