日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養Ⅰ

2023年9月20日(水) 09:00 〜 11:50 第II会場 (大講義室)

座長:大坂 郁夫(明治飼糧株式会社)、谷川 珠子(道総研酪農試)、杉野 利久(広島大院統合生命)、野中 最子、近藤 誠(三重大学)

09:10 〜 09:20

[II-20-02] 乳用種雌牛の育成前期における飼料給与量が骨密度に及ぼす影響

*若槻 拓司1、新宮 裕子1、松井 義貴1、細字 晴仁1、西野 早紀2、堂腰 顕1、昆野 大次1 (1. 道総研酪農試、2. NOSAI北海道)

【目的】乳牛の骨密度は泌乳等におけるカルシウム動員との関連で重要であるとされている。そこで本研究では、育成前期の飼料給与量の違いが骨密度に与える影響を検証した。【方法】酪農試験場内の乳用種雌牛を供試し、43~90日齢において配合飼料現物量を1日1頭当たり1.5kg(処理1:6頭)、2.5kg(処理2:5頭)または3.5kg(処理3:7頭)給与する3群に分けた。粗飼料は自由採食とした。供試牛は処理開始前(約40日齢)、約90日齢、約180日齢において右前肢中足骨をX線撮影し、骨アルミニウム等量(骨密度:mmAL)を測定した。また、中足骨の体積を補正するため、管囲あたりの骨密度(骨密度/管囲:mmAL/cm)を算出した。各測定項目の40-90日齢間および40-180日齢間の増加量をテューキーの多重比較検定を用いて群間で比較した。【結果】40-90日齢間の骨密度および骨密度/管囲の増加量は、3群間で差がなかった。一方、40-180日齢の骨密度の増加量は処理1、2および3においてそれぞれ3.62、4.90、5.03mmALであり、処理2、3で増加量が有意に高かった(P <0.05)。また、骨密度/管囲の増加量はそれぞれ0.06、0.14、0.15 mmAL/cmであり、処理2、3で増加量が大きい傾向を認めた(P <0.1)。骨密度は育成前期の栄養状態を反映している可能性がある。