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[II-20-06] 泌乳牛における生体情報と乳生産成績および栄養生理状態の関係
【目的】近年、心拍数、呼吸数、ボディーコンディションスコア(BCS)といった家畜生体情報の非接触測定技術の開発が活発になされており、一部は実用化に至っている。これら生体情報を繋ぎ飼い牛舎で搾乳される泌乳牛の飼養管理に反映させるための基礎情報を得ることを目的とし、従来の手法で測定した生体情報と乳生産成績や栄養生理状態との関係を評価した。【方法】栃木県内で繋ぎ牛舎を採用する酪農家1軒の泌乳牛群(平均飼養頭数55頭、平均産次2.2産、平均乳量31.3 kg/日)の生体情報取得を毎月の牛群検定1週間後に計17回実施した。測定項目は呼吸数(目視)、心拍数(心拍計)、体温(直腸温)、体重(胸囲から推定)、BCS、牛舎内温湿度指数(THI)、乳量、乳成分(牛群検定成績)とした。各測定項目で平均値±3SD(標準偏差)から外れるデータを除去したデータセットを用い、泌乳前期(分娩後60日以前;n=102)と中後期(n=664)でそれぞれ、測定項目間の相関を求めた。【結果】呼吸数は泌乳前期においてTHIと正の相関が認められ、乳脂率と負の相関が認められた。泌乳中後期で呼吸数は体温、心拍数、THIとの間に正の相関、乳脂率との間に負の相関が認められた。心拍数は泌乳中後期で乳量との間に正の相関が、乳脂率との間に負の相関が認められた。BCSは中後期で、体重、分娩後日数、乳タンパク質率との間に正の相関が認められた。