日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養Ⅱ

2023年9月20日(水) 09:00 〜 11:20 第III会場 (1・2番講義室)

座長:林 義明(名城大農)、小池 聡(北大院農)、塚原 隆充(栄養・病理研)、福山 朋季(麻布大学)

09:00 〜 09:10

[III-20-01] 各種海藻資材の添加が濃厚飼料基質条件下のin vitro第一胃発酵に及ぼす影響

*熊谷 元1、紺野 琢磨2、石原 賢司3、世古 卓也3、二村 和視4、大石 風人1、広岡 博之1、田島 栞1 (1. 京大院農、2. リファインホールディングス(株)、3. 水産技研、4. 静岡水産海洋技研)

【目的】わが国の沿岸部で採取される海藻の添加が大麦基質条件下のin vitro第一胃発酵に及ぼす影響を調査した。【方法】5種の海藻(アカモク、ムカデノリ、ツルシラモ、テングサ、コンブ)を60℃で通風乾燥後、粉砕して試験に供した。大麦0.5 gDM量に各試料を2.8%および5.6%添加し、人工唾液と緬羊から採取したルーメン液を4:1の割合で混合した培養液40mLを加え、39℃の嫌気条件下で48時間培養した。【結果】試料を添加した区の第一胃発酵特性を、基質のみ培養した対照区と比較すると、総ガス産生量はアカモク5.6%区とムカデノリ5.6%区が対照区より高く(p<0.05、対照区の103~104%)、総ガス産生量に占めるメタン産生割合はテングサ2.8%区が対照区より高かった(p<0.05、対照区の107%)。基質のDM消失率はアカモク2.8%区、ツルシラモ2.8%区と5.6%区およびコンブ5.6%区を除いて対照区より低かった(p<0.05、対照区の95~99%)。培養液上清中の総短鎖脂肪酸(SCFA)濃度はアカモク2.8%区と5.6%区およびムカデノリ2.8%区が対照区を上回った(p<0.05、対照区の105~108%)が、各SCFA割合に差は認められなかった。大麦基質条件下でアカモクとムカデノリの添加が総ガス産生量と総SCFA濃度を向上させることが示唆された。