日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養Ⅱ

2023年9月20日(水) 09:00 〜 11:20 第III会場 (1・2番講義室)

座長:林 義明(名城大農)、小池 聡(北大院農)、塚原 隆充(栄養・病理研)、福山 朋季(麻布大学)

09:20 〜 09:30

[III-20-03] ルーメン液を用いた培養におけるレイシ(Ganoderma lingzhi)トリテルペノイド類の経時的変化

*中川 敏法1、馬場 愛里1、市川 夏衣1、伊佐 亜希子2、王 冬梅2、清水 邦義2 (1. 滋賀県大、2. 九大院農)

レイシ(Ganoderma lingzhi)はヒトやマウスにおいて抗炎症、抗酸化、抗ウイルスなどさまざまな健康機能が報告されている薬用キノコである。本研究ではレイシの主な活性成分であるトリテルペノイド類18種がルーメン液によるin vitro培養の過程でどのような変動を示すのかを調査した。アルファルファ乾草のみを給与した成ヤギ(去勢オス)3頭から経口カテーテルを用いてルーメン内容物を採取し、二重ガーゼで圧搾してルーメン液を得た。ただちに、ルーメン液とMcdougallの人工唾液を混合し、粉砕したレイシ子実体に加えて嫌気状態で培養した。培養開始0, 4, 8, 12, 24, 48時間後に培養管を取り出し、それぞれ凍結乾燥した。凍結乾燥物にエタノールを加え、残留するトリテルペノイド類を抽出しLC/MSMSを用いて定量した。その結果、Ganoderenic acid A, B, C1, C2, Ganoderenic acid C, Ganodermanontriolは培養開始48時間後でも減少率が50%未満と低かった。これらのトリテルペノイド類は、反芻動物においてもルーメン内で分解されず下部消化管で吸収され、一定の薬効が得られる可能性が示唆された。