日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養Ⅱ

2023年9月20日(水) 09:00 〜 11:20 第III会場 (1・2番講義室)

座長:林 義明(名城大農)、小池 聡(北大院農)、塚原 隆充(栄養・病理研)、福山 朋季(麻布大学)

10:30 〜 10:40

[III-20-10] 離乳時に体重の低い肥育豚へのClostridium butyricum MIYAIRI 588給与の影響

*扇 隆介1,2、平田 真樹1,3、橋本 託真3、丹羽 陸人3、工藤 逸美1,2、岡 健太郎1,2、高橋 志達2、森松 文毅1,3 (1. 徳島大バイオ、2. ミヤリサン製薬、3. 徳島大院創成)

【目的】離乳時に体重の低い肥育豚は,母豚一腹当たりの生存産子数の低下,発育の遅れによる肥育日数の長期化にともなう生産効率の低下,各種疾患の罹患リスクの増加および淘汰の対象となる点など,改善が必要である.本研究では,離乳時に体重の低い肥育豚におけるClostridium butyricum MIYAIRI 588(CBM588) 給与の有用性を検討した.【方法】18頭の肥育豚を用いて低体重・CBM588(2.5×108cfu/kg)給与群(groupA),通常体重群(groupB),低体重群(groupC)の3群に分け,それぞれ個別飼育を実施した.飼育期間は体重および飼料摂取量の測定,採便を実施し,飼育期間終了後は出荷した肥育豚の肉質と費用対効果の算出を実施し群間で比較検討した.【結果】試験開始から4週目にかけての若いステージにおいてCBM588給与による増体の改善とα多様性の増加が確認された.飼育期間を通してgroupAはgroupBと比較して飼料要求率の改善傾向が確認された.またgroupAは肉質等級が「上」の個体が最も多く,費用対効果も3群の中で最も高い値を示した.【考察】離乳時に低体重である肥育豚は,CBM588給与により初期の成長の遅れを緩和できる可能性が示唆され,肉質の向上と飼料効率の改善も期待された.本試験結果から発育が遅れがちな肥育豚へのCBM588給与の有用性が期待された.