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[III-20-12] 植物由来L. delbrueckii TUA4408Lによる乳酸菌発酵オカラ添加給与による放牧豚の産肉性
放牧形式で飼養した豚の肉質にみられる特徴として通常飼養・出荷の肉質よりも劣ることが報告されている。一方、未利用地を放牧活用し飼料素材としての未利用食資源を有効活用することはSDGsの観点で重要と考えられる。先行研究では、生産される味噌や豆乳生産時に排出されるオカラを、植物由来乳酸菌Lactobacillus delbrueckii subsp. delbrueckii TUA4408Lを用いて乳酸発酵オカラ(発酵オカラ)させて、豚へ給与することにより、下痢の発症を抑制し、産肉性を向上させる結果を得ている。本研究では、基礎飼料にこれらを添加して給与し放牧した豚の産肉性について検討することを目的とした。約60kgのLWD系統去勢雄および雌計15頭を供試し,5頭ずつ3区に分けた。オカラ発酵物を3g/体重kgで増体に伴い段階的に毎日給与した区(発酵オカラ区)、同様に発酵オカラに味噌と籾殻燃焼シリカを添加したものを給与した区(味噌区)、そして抗菌剤無添加の基礎飼料のみの区(基礎飼料区)とした。体重が約120kg時で出荷した。下痢や疾患の所見観察,体重測定,採便および採血を行った。腸内細菌叢や糞便の臭気成分、血液生化学成分、そして枝肉評価を行った。また、豚肉の理化学成分も測定した。一般に放牧された豚肉は固いとされるが、この発酵オカラの添加給与で柔らかく総合的に美味しくなる傾向があった。