日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養Ⅱ

2023年9月20日(水) 13:00 〜 16:00 第III会場 (1・2番講義室)

座長:小櫃 剛人(広島大院生物圏)、八代田 真人、中辻 浩喜(酪農学園大学)、真貝 拓三(農研機構畜産研究部門)、上田 宏一郎(北海道大学大学院農学研究院)、大谷 喜永(明治飼糧(株))

13:10 〜 13:20

[III-20-16] 給餌サイクル変更後のヤギの血糖値日周リズムの変化

*浅野 早苗1、大村 月久実1、小林 静奈1、齋藤 千帆子1、傍島 杏里菜1、梶川 博1 (1. 日大生資科)

【目的】時間栄養学の知見を家畜生産へ応用すると、生産効率が向上すると期待されるが、前胃に発酵タンクを持つ反芻動物では、栄養代謝などに見られる生体リズムへの給餌刺激の影響は不明な点が多い。これまで我々は、ヤギの血糖値リズムは給餌サイクルの影響を受け、給餌時刻が遅延するとリズムも後退することを明らかにしてきた(129,130回大会)。しかし、一度形成されたリズムが給餌サイクルの変更を経て、どれくらい継続されるのかは明確にできていない。そこで本研究では、給餌時刻を夜から朝に変更した際の血糖値の経時的変化について調査した。【方法】シバヤギ去勢雄4頭を単房(明暗周期:12h明期・12h暗期,室温:25度)に収容し、維持量のヘイキューブを1日1回夜に給与し、3週間以上馴致させた。ヤギの頸部にグルコースセンサー(FreeStyleリブレPro, Abbot)を装着し、血糖値の変動を24時間以上記録した後、給餌時刻を朝に変更し、血糖値の変動を記録した。血糖値データから、点灯時刻を0時として、リズムパラメータを算出した。【結果】夜給与から朝給与に変更後、血糖値変動パターンのピークは全ての個体で徐々に早い時間に移行し、位相は夜給与:18.2時間,朝給与1日目:11.5時間,2日目:9.8時間,3日目:9.9時間となった。血糖値リズムは新しい給餌サイクルに2日間ほどかけて適応することが示唆された。