日本畜産学会第131回大会

講演情報

優秀発表賞応募講演

優秀発表賞応募講演

優秀発表Ⅰ

2023年9月19日(火) 09:00 〜 10:30 第II会場 (大講義室)

座長:青木 康浩(東京農工大学)、上田 宏一郎(北海道大学大学院農学研究院)、塚原 隆充(栄養・病理研)、舟場 正幸(京都大学)

09:15 〜 09:30

[IYS-19-02] 微細藻類Coccomyxa sp. KJの添加がin vitro第一胃メタン産生に及ぼす影響

*塩谷 帆乃香1、久野 斉2、吉澤 史昭1、佐藤 元映1 (1. 宇大農、2. (株)デンソー)

【目的】微細藻類Coccomyxa sp. KJ (IPOD FERM BP-22254) 由来の乾燥粉末2種類(KJ1;乾物中CP20.9%、KJ2;乾物中CP55.1%)の添加が第一胃メタン産生に与える影響をin vitro培養系で評価した。【方法】コーンサイレージを主に給与されたホルスタイン種2頭(体重: 593±63.6kg)よりルーメン液を採取し、人工唾液と1:4で混合し培養液とした。基質にはコーンサイレージを0.5g乾物量(DM)用いた。試験区は、無添加区(C)およびKJ1、KJ2をそれぞれ基質の0.5%DMおよび1.0%DM添加する区(KJ1_L、KJ1_H、KJ2_L、KJ2_H)を設定し、24時間in vitro培養を行った。【結果】ガス発生量は培養12および24時間でKJ1_H、KJ2_L、KJ2_HがCより低かった(P<0.05)。同様に、これらの添加区の培養24時間でのメタン産生量はCより低かった(P<0.05)。さらに、分解された乾物当たりのメタン産生量はCよりKJ2_Lで48.4%、KJ2_Hで40.8%低かった(P<0.05)。DM分解率はCと比較し、KJ2_Lのみ低かったが(P<0.05)、他の添加区は同等であった。以上より、Coccomyxa sp. KJはメタン低減飼料添加物として有用であり、特にKJ2は高い効果を持つ可能性が示唆された。