日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境

管理・環境・動物介在・畜産経営

2023年9月20日(水) 09:00 〜 11:50 第X会場 (34番講義室)

座長:宮竹 史仁(帯広畜産大学)、鍋西 久(北里大獣医)、森田 茂(酪農学園大農食環境)、林 英明(酪農大獣医)

09:00 〜 09:10

[X-20-01] 堆肥化過程における堆肥内酸素濃度の測定

*本村 勇貴1、山下 信雄1、大曲 秀明1、和木 美代子2、福本 泰之2 (1. 佐賀畜試、2. 農研機構畜産部門)

【目的】 家畜ふんの堆肥化は好気性発酵であり、堆肥内微生物の代謝によるCO2濃度の増減によって酸素消費を確認している報告はあるが、実際の堆肥内部の酸素濃度については調査がされていない。そこで、堆肥化過程における堆肥内酸素濃度の変化を室内装置を用いて調査した。【方法】BOD源として市販のドッグフードを用い、乾物当たりのBODが20%となるように豚完熟堆肥と混合したものを堆肥材料として使用した。20Lバケツに堆肥材料を充填しその中にタイゴンチューブを一定間隔で配置、タイゴンチューブからチューブポンプと蛍光式溶存酸素計を組み合わせて堆肥内から引き抜いた空気の酸素濃度を測定した。また、堆肥材料への切り返し、底部からの通気による影響を調査した。【結果】堆肥化開始から1日後には堆肥内酸素濃度は大きく低下し、切り返しまで低濃度で推移した。切り返し後にも同様の傾向がみられた。通気量が10L/min/㎥の時には堆肥表面に近い地点の酸素濃度が無通気区よりも高い値を示したが、100L/min/㎥の時には20Lバケツ底部の通気装置に近い地点が最も高い酸素濃度を示し、測定したすべての地点で無通気区と比べて高い酸素濃度を示した。以上の結果から、堆肥の切り返しによって供給される酸素が短期間に消費されること、および堆肥底部通気が堆肥内酸素濃度へ影響を及ぼす可能性が考えられた。