畜産物利用

[XI-20-01] 系統の異なる黒豚肉における脂肪の調査

*加藤 慶一¹、中田 悠介¹、岡田 幸男¹、岩元 正樹¹、丹治 宏之¹、上田 修司² (1. プリマハム、2. 神戸大院農)

【目的】黒豚には、イギリス系とアメリカ系の系統がある。系統間には肉質に違いがあるとされるが、これまでに学術的な報告は多くない。特に喫食時の風味に影響を与えるとされる脂肪に関する報告は少ない。そこで本研究では、これらの系統の異なる黒豚の脂肪を対象とし、各種分析にてそれぞれの特徴を調査することを目的とした。【方法】イギリス系とアメリカ系の黒豚の脂肪から真空蒸留法で低温抽出した豚脂肪を試料とした。得られた試料から、ダイナミックヘッドスペース（DHS）法によって揮発性成分をTENAX管に捕集した。その後、TENAX管を加熱脱着装置に導入し、ガスクロマトグラフィー/質量分析計（GC/MS）にて揮発性成分を測定した。【結果】測定した結果を化合物群に分類し、黒豚における系統間の揮発性成分の違いを比較した。その中で、脂肪様香気として知られているケトン類の揮発性成分量は、イギリス系と比較してアメリカ系で多く、特徴的な成分として、バター様香気成分として知られる2,3-Pentandioneがアメリカ系にて多く検出された。また、その他成分も調査した結果、イギリス系とアメリカ系の揮発性成分にそれぞれ特徴がみられた。