日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

5. 畜産物利用

畜産物利用

2023年9月20日(水) 09:00 〜 11:50 第XI会場 (35番講義室)

座長:佐々木 啓介(農研機構畜産研究部門)、若松 純一(北海道大学)、今成 麻衣(農研機構九州沖縄農業研究センター)、上田 修司(神戸大学大学院農学研究科)、前田 尚之(酪農学園大学)

09:20 〜 09:30

[XI-20-03] 国産子実トウモロコシ含有の配合飼料給与が肥育後期豚の肉質に及ぼす影響

*今成 麻衣1、工野 大介2、重良 素史2、田中 元気3、篠﨑 志帆3、嶝野 英子4 (1. 農研機構九沖農研、2. (株)フリーデン、3. JA全農北日本くみあい飼料(株)、4. 農研機構東北農研)

【目的】日本の畜産業では子実トウモロコシは不可欠な飼料原料であるが、その大部分を輸入に依存しており、輸入価格の変動が畜産経営に及ぼす影響は大きい。畜産経営の安定化のためにも輸入子実トウモロコシに代わる自給濃厚飼料の生産が求められており、近年では国産の子実トウモロコシ生産が拡大している。そこで本研究では、国産子実トウモロコシの利用の可能性を検討するため、肥育後期豚に国産子実トウモロコシを含有した配合飼料を給与し、肉質を調査した。【材料と方法】(株)フリーデン大東農場にて、肥育後期豚に輸入子実トウモロコシ56%を含有した配合飼料(対照区)および国産子実トウモロコシ15%と輸入子実トウモロコシ41%を含有した配合飼料(国産区)を出荷前の64日間給与した。各区8頭分のロース部分肉を採取し、胸最長筋の一般成分、色調、剪断力価、加熱損失、遊離アミノ酸、脂肪酸組成、皮下脂肪の色調、融点、脂肪酸組成を測定した。【結果】区間で有意差が認められたのは、胸最長筋および皮下脂肪の脂肪酸組成と皮下脂肪融点であった。胸最長筋では国産区でC18:1n1とC18:3n6が高く、C18:0と飽和脂肪酸が低かった。皮下脂肪では国産区でC12:0、C16:1、C18:2n6c、C18:3n3と多価不飽和脂肪酸が高く、C18:0と飽和脂肪酸が低かった。皮下脂肪融点は国産区で低く、脂肪酸組成の違いを反映した結果となった。