第45回日本食品微生物学会学術総会

学術総会長挨拶


 第45回日本食品微生物学会学術集会を、2024年9月5日(木)~9月6日(金)の2日間、リンクステーションホール青森(青森市文化会館)において開催いたします。

 「民以食為天(民は食を以て天と為す)」は、食が如何に我々の生活ないし我々の人生に重要であることを表す言葉です。どの時代・国・地域においても、充分で良質な食糧の供給・保障は何より重要であることが言うまでもありません。時代と共に、食品の生産、加工、流通、保存、消費の過程における食品衛生・安全・安心の確保も常に進化しています。

 食品微生物学は、私たちの食の安全性、品質向上、および健康において不可欠な分野であり、その進展がますます加速しています。日本食品微生物学会は、これまで、産官学協働による研究開発、Farm to Table全過程における食品衛生基準の策定と検証、食品リスクコミュニケーションとリスクマネジメント、生産地から消費地までの食品衛生行政の管理と推進、グローバル化時代における食品サプライチェーンの構築と保障などを通じて、人々の豊かな食生活や健康に大いに寄与し、社会に大きな役割を果たしてきました。年に一度の学術総会は、食と微生物に関する最新の研究成果の発表、新規技術・機器の公表・展示、新たな食品検査・管理システムの普及、などの重要なプラットフォームで、さらに、研究と知見を深め、新たな発見を追求するための貴重な機会です。この学術総会を通じて、私たちは共に学び、協力し、未来への展望を共有することで、より健全で持続可能な食品生産流通システムの構築や食品微生物学の発展に寄与できることを期待しています。

 会場となる青森市は、世界文化遺産に登録された縄文時代の三内丸山遺跡に代表されるように、豊かで暮らしやすい「北のまほろば」として、陸奥湾や八甲田山系などの自然環境の恩恵を受けながら、古代から脈々と受け継がれてきた歴史と文化のある土地です。市内には、縄文時代から中世まで400ヶ所をこえる遺跡が所在しています。青森は伝統的な芸能や音楽が盛んであり、津軽三味線やねぶた祭りなどの民俗芸能、地元文化を感じることができます。四季折々のイベントが開催され、春は弘前城と弘前公園の桜、夏はねぶた祭りが有名で、その迫力ある祭りは国内外の多くの観光客を引きつけています。また、青森県は自然が豊かで美しく、本州唯一の世界自然遺産である白神山地や、奥入瀬渓流と十和田湖の美しい湖畔は季節を問わず訪れる人々を魅了し、心地よい体験と感動を与えています。ぜひ、学会の前後に訪れてはいかがでしょうか。

 学術総会は、特別講演、シンポジウム、一般講演(口頭発表・ポスター発表)を企画しております。また、企業展示、ランチョンセミナーなども予定しております。皆様には、ご参加・ご発表をいただき、実りがあり活気がある学術総会になるようご協力をお願い申し上げます。青森の地で皆様とお目にかかれることを楽しみにしております。
 
 2024年1月10日
第45回日本食品微生物学会学術総会長
胡 東良(北里大学)