日本食品科学工学会第71回大会

講演情報

一般講演

A 食品成分,食品分析(Food Ingredients, Food Analysis)

[2Dp] 食品分析

2024年8月30日(金) 15:00 〜 18:00 D会場 (3F N324)

座長:前田 竜郎(帝京平成大学)、飯島 陽子(工学院大学)、加藤 悦子(東洋大学)

17:45 〜 18:00

[2Dp-12] Native-PAGE活性染色法による蜂蜜中の外来アミラーゼ混入調査

*青葉 隆紀1、高橋 有志1、平川 祥成1、森 彩香1、舛屋 智美1、藤田 和弘1 (1. 一般財団法人日本食品分析センター)

キーワード:蜂蜜、食品偽装、外来アミラーゼ、Native-PAGE

【目的】
蜂蜜の加熱履歴の指標としてCODEX規格(CODEX STAN 12-1981)にジアスターゼ活性の試験法が採用されているが,ジアスターゼ活性低下を偽装する目的で外来アミラーゼを蜂蜜に添加するといった事例が報告されている.我々は先行研究で簡易な検出法であるNative-PAGE活性染色法を開発し,2020~2022年にわたり日本国内で市販されている蜂蜜67検体について調査を行った結果,安価な蜂蜜から頻繁に外来アミラーゼが検出された.これを受けて本研究では2023~2024年に国内で販売されていた安価な蜂蜜22検体について追加調査を行ったので,これまでの結果と合わせて報告する.

【方法】
蜂蜜をリン酸緩衝液に溶解し,限外濾過(10 kDa)により糖を除去したものを試験溶液とした.試験溶液中のアミラーゼをNative-PAGEにより分離させた後,ヨウ素デンプン反応により外来アミラーゼの存在を確認した.また,試験溶液中の外来アミラーゼをLC-QTOF-MSにより測定し,その由来をタンパク質解析ソフトで解析して確認した.

【結果】
国内で販売されていた蜂蜜89検体について調査した結果,Native-PAGE活性染色法により38検体の蜂蜜で外来アミラーゼの存在が確認された.また,外来アミラーゼの由来をLC-QTOF-MSにより確認した結果,22検体はアスペルギルス属由来のα-アミラーゼ,14検体はゲオバチルス属由来のα-アミラーゼ,2検体はアスペルギルス属由来及びバチルス属由来のα-アミラーゼであった.