3:00 PM - 3:15 PM
[2Hp-01] The comparison study of protein and amino acid concentrations in plantlets of 6 Wasabi cultivars (Wasabia japonica)
Keywords:Wasabi plantlet, SDS-PAGE, protein, amino acids
【目的】本ワサビは, 真妻系統とその他の系統の二つに大きく分けられ, 真妻系統はその香りや辛味等の品質の高さ及び希少性から市場価値が高い. ワサビは, 外観からの品種判別が難しく, 遺伝子解析による品種特定が報告されている. 我々は真妻系統と他系統に含まれるタンパク質とアミノ酸量が異なることを明らかにした. 本研究では, ワサビに含まれるタンパク質やアミノ酸量の違いから, 品種判定が困難な苗の状態でも真妻系統と他系統の判別が可能かを調べた.
【方法】市販品の苗の真妻系統本ワサビ(A〜C)と他系統本ワサビ(D〜F)計6品種をサンプルとした. すりおろしたワサビから回収した水溶性画分を試料とした. SDS-PAGEで各試料中の泳動パターンを比較し, サブユニットの分子量を測定した. また, 試料中のアミノ酸はフェニルイソチオシアネートで誘導体化し, HPLC(島津製作所Prominenceシリーズ)で定量した.
【結果】ワサビ苗水溶性タンパク質SDS-PAGEの結果から, 真妻系統ABCの3品種は全く同じバンドパターンを示した. それに対して, 他系統では3品種間で異なるバンドパターンを示した. Dは6品種中で最も染色強度が高く, 真妻系統に類似したパターンを示した. Eでは, 全品種に出現した分子量55600, そしてDとFに出現した分子量60500の2バンドが欠損していた. Fには, 他品種には無い分子量37000の特異的なバンドが出現した. 遊離アミノ酸含量は6品種共通してGABAが最も多く, 20種類の合計に対して21~41%を占めていた. Dでは, MetとCysを除くペプチド態アミノ酸濃度が, 他の5品種よりも有意に高い値を示した. 今回の結果より, 構成タンパク質の違いから苗の状態でも他系統間で判別が可能であった. 特にDは他品種に比べて構成タンパク質が高濃度であり, 真妻系統に存在するパターンも持ち合わせていた.
【方法】市販品の苗の真妻系統本ワサビ(A〜C)と他系統本ワサビ(D〜F)計6品種をサンプルとした. すりおろしたワサビから回収した水溶性画分を試料とした. SDS-PAGEで各試料中の泳動パターンを比較し, サブユニットの分子量を測定した. また, 試料中のアミノ酸はフェニルイソチオシアネートで誘導体化し, HPLC(島津製作所Prominenceシリーズ)で定量した.
【結果】ワサビ苗水溶性タンパク質SDS-PAGEの結果から, 真妻系統ABCの3品種は全く同じバンドパターンを示した. それに対して, 他系統では3品種間で異なるバンドパターンを示した. Dは6品種中で最も染色強度が高く, 真妻系統に類似したパターンを示した. Eでは, 全品種に出現した分子量55600, そしてDとFに出現した分子量60500の2バンドが欠損していた. Fには, 他品種には無い分子量37000の特異的なバンドが出現した. 遊離アミノ酸含量は6品種共通してGABAが最も多く, 20種類の合計に対して21~41%を占めていた. Dでは, MetとCysを除くペプチド態アミノ酸濃度が, 他の5品種よりも有意に高い値を示した. 今回の結果より, 構成タンパク質の違いから苗の状態でも他系統間で判別が可能であった. 特にDは他品種に比べて構成タンパク質が高濃度であり, 真妻系統に存在するパターンも持ち合わせていた.