5:15 PM - 5:30 PM
[2Mp-09] Evaluation of the physical properties of chocolate-like fats processed foods with roasted burdock roots
Keywords:Chocolate, Burdock, Cocoa butter equivalent, Differential scanning calolimetry
【目的】チョコレートの美味しさの1つである口どけは,原料のココアバター(CB)の結晶多形に起因している.CBにはⅠ型からⅥ型まで6つの結晶多形が存在し,体温直下の約33℃に融点を持ち,口に入れた際に滑らかな口どけを示す点からチョコレート製造には,CBをⅤ型で結晶化することが重要である.しかし近年,気候変動でのカカオ豆の生産量の著しい減少屋や,世界的なチョコレート消費量の急増から,原料のカカオ豆は供給不足である.そこで代替素材として焙煎ごぼう及びココアバター代用脂(CBE)に着目した.ごぼうは食物繊維やポリフェノール類に富み,焙煎によりチョコレートと類似した香気成分を示すことが明らかになっている.ゆえに本実験では,焙煎ごぼう,CBEから作製したチョコレート様油脂加工食品とCBEの融解挙動や多形現象を調べ,焙煎ごぼうの添加がCBEの結晶化挙動に与える影響を明らかにすることを目的とした.
【方法】(株)あじかんから提供された焙煎ごぼうとCBE,ココアパウダーを用いてチョコレート様食品を調製した.5℃及び20℃の一定温度で2週間及び2か月間保存した試料を用いた.示差走査熱量測定により融解挙動を測定した.また,CBのⅤ型に対応するCBEのβ₂型の結晶量を融解ピークから解析し,CBEのβ₂型結晶化への焙煎ごぼうの影響を調べた.さらに,放射光X線回折測定により試料の多形を調べた.
【結果】試料は約33℃に融解ピークが確認された.よって,チョコレートとの食感の類似性が示唆された.また,β₂型の結晶量を比較すると,焙煎ごぼうを添加したサンプルがCBE単体より約2倍多くなった.これは,焙煎ごぼうがCBE結晶化の核として働き,CBEの結晶核の形成を促進したためと考えられる.したがって,本チョコレート様食品は香り,食感,結晶化挙動においてチョコレートに並ぶ新規スイーツとしての可能性を十分に秘めている.
【方法】(株)あじかんから提供された焙煎ごぼうとCBE,ココアパウダーを用いてチョコレート様食品を調製した.5℃及び20℃の一定温度で2週間及び2か月間保存した試料を用いた.示差走査熱量測定により融解挙動を測定した.また,CBのⅤ型に対応するCBEのβ₂型の結晶量を融解ピークから解析し,CBEのβ₂型結晶化への焙煎ごぼうの影響を調べた.さらに,放射光X線回折測定により試料の多形を調べた.
【結果】試料は約33℃に融解ピークが確認された.よって,チョコレートとの食感の類似性が示唆された.また,β₂型の結晶量を比較すると,焙煎ごぼうを添加したサンプルがCBE単体より約2倍多くなった.これは,焙煎ごぼうがCBE結晶化の核として働き,CBEの結晶核の形成を促進したためと考えられる.したがって,本チョコレート様食品は香り,食感,結晶化挙動においてチョコレートに並ぶ新規スイーツとしての可能性を十分に秘めている.