The 71th Annual Meeting of JSFST

Presentation information

Oral presentation

A 食品成分,食品分析 (Food Ingredients, Food Analysis)

[3Cp] Food Analysis

Sat. Aug 31, 2024 2:15 PM - 5:00 PM Room C (3F N323 )

座長:仲川 清隆(東北大学)、松田 寛子(日本獣医生命科学大学)、間野 博信(あいち産業科学技術総合センター)

3:15 PM - 3:30 PM

[3Cp-05] An analytical scale preparative LC/MS System for high purity purification of triacylglycerols in fats and oils

*HIROKAZU SAWADA1, KEIKO HAYASHI1 (1. Agilent Technologies Japan, Ltd.)

Keywords:LC/MS, Purifcation, Triglyceride

【目的】食用油脂の主成分であるトリアシルグリセロール(TAG)はグリセロール骨格に3つの脂肪酸が結合しており,結合する脂肪酸種により栄養学的・物理学的特性が決定されるが,構成脂肪酸種の組み合わせの複雑さからTAGの分析には高分離な HPLC 条件を必要とされる.本検討では良好な再現性が期待できる非水系逆相クロマトグラフィを用いた分離を検討した.また,検出器として示差屈折率検出器(RID),蒸発光散乱検出器(ELSD)や LC/MS がしばしば用いられるが,今回は分子量関連情報が容易に得られるシングル四重極型 LC/MSを用いた検討を行った.また,最適化したLC/MS条件を元に分取LC/MSシステムを構築し,TAG類の分取精製を検証した.
【方法】市販の数種類の油脂を試料とし,Agilent InfinityLabシングル四重極 LC/MSD XTシステムを用い,ポストカラムからの添加剤の効果を確認し,APCIおよびESIモードで測定を行い,分析条件の確立を行った.分取精製操作には,上述のシングル四重極LC/MSシステム下流にフローモジュレータ(スプリット比可変型スプリッタ)とフラクションコレクタを増設して,MSのシグナルをトリガーとする分取条件を構築し検討を行った.
【結果】メインポンプからのアセトン/メタノール移動相に加えて,ポストカラムからギ酸アンモニウムを含むメタノール溶液を一定流速で送液することでTAG類の良好なイオン化が確認できた.また,TAGのLC/MS分析ではAPCIが多く利用されているが,ESIにおいても良好にイオン化することが分かった.得られたLC/MSの結果を分取LC/MSに移行し,フラクション側に添加剤(ギ酸アンモニウム)を含まない分取LC/MSシステムを構築することができた.これにより,最終フラクションの脱塩処理などが不要なTAG類の単離精製が可能となった.