The 71th Annual Meeting of JSFST

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Oral presentation

A 食品成分,食品分析 (Food Ingredients, Food Analysis)

[3Da] Sensibility evaluation, Organoleptic evaluation

Sat. Aug 31, 2024 9:00 AM - 11:30 AM Room D (3F N324)

Chair:Yasuhiro Funatsu, Fumiyo Hayakawa

9:45 AM - 10:00 AM

[3Da-04] Development of a sensory lexicon for evaluation of fried foods

*Kaori Nagai1, Noriko Chiba1, Yuko Nakano2, Kanji Aoyagi1, Akira Akahane1, Hidetaka Uehara1, Fumiyo Hayakawa2 (1. The Nisshin OilliO Group, Ltd., 2. Institute of Food Research, NARO )

Keywords:Sensory evaluation, fried products, croquette, texture, flavor

【目的】コロッケをはじめとするフライ食品のおいしさを構成する要素には衣のサクサクした食感や香ばしい香り等がある. 近年家庭での揚げ調理の減少に伴い市販・業務用製品の需要増加が著しく, フライ食品のおいしさに関連する品質を数値化する技術に対するニーズが高まっている. そこで本研究ではフライ食品の官能特性を効果的・効率的に評価するために, コロッケの官能評価用語体系を構築することを目的とした. 【方法】市販品の官能特性を可能な限り網羅するよう, 衣層や中種, 揚げ油等の条件を振り分けて50種類のモデルコロッケを調製した. 16名から成る分析型パネルの自由記述式の官能評価により描写用語を収集した. 7~9名の専門家の討議により類義語等を整理し, 各用語に定義を定め, 用語を分類して用語体系を完成させた. さらに, フライ食品の評価に特に重要と考えられる主要用語を専門家の討議により選定し, 強度評価のための尺度見本をそれぞれに設定した. 用語体系が官能評価に機能することを確認するため, 分析型パネル12名により主要用語を評価項目として, 市販プリフライコロッケ15試料について線尺度 (100 mm) を用いて評価した. 【結果】描写用語として598語が得られ, これを整理, 定義づけ, 分類して75語 (外観18,風味29,食感28) から成る用語体系を構築できた. 主要用語32語を用いた分析型官能評価結果の主成分分析結果から, 第一主成分は正方向に破砕感に関連する用語の寄与が, 負方向に歯切れの悪さや湿気た感じ等の寄与が大きく「食感」の軸と解釈できた. 第二主成分は正方向に塩味やうま味, 香ばしさの寄与が, 負方向に甘味やジャガイモの風味等の寄与が大きく「風味」の軸と解釈できた. 以上より開発した用語体系はコロッケの特徴を的確に捉える評価空間を示し, フライ食品のおいしさに関わる品質特性を数値化する官能評価手法として有用であることが示された.