4:15 PM - 4:30 PM
[3Dp-08] Changes in resistant protein of low-grade buckwheat flour during heat processing
Keywords:Resistant Protein, Buckwheat
【目的】そばの製粉を行う際,そばの実の中心部に近い部分から順に一番粉から三番粉までがそばの麺として使用されているが,外側の表皮に近い部分からなる末粉は,各種の栄養・機能性成分が多く含まれているにもかかわらず,繊維質のボソボソとした食感が忌避されるため,その多くが廃棄されている. 我々はそばの実に多く含まれる機能性成分のうち,血中コレステロール低下作用などが報告されているレジスタントプロテイン(RP)に注目し,その評価を行ってきた1).そば末粉を各種の食品原料に利用する際には加熱処理が行われることが多いと考えられるが,この加熱加工時のRPの変化に関する知見は少ない.そこで,我々はそば末粉を添加したパンの焼成処理がそば末粉中のRPに与える影響を検討した.
【方法】そば末粉を20%配合し,生地のゆで処理を行わないベーグル様の試験パンを焼成した.焼成前の生地と焼成後のクラム及びクラストについて凍結乾燥粉末を調製した.人工胃液及び人工腸液で消化処理した残渣に含まれるタンパク質をRPとして評価した2).消化処理残渣および処理前の凍結乾燥粉末からSDS尿素リン酸バッファーを用いてタンパク抽出を行い,抽出液中のタンパク量を微量分光光度計により測定した.また,各抽出液についてSDS-PAGEを行い,タンパク組成を比較した.
【結果】抽出タンパクにおけるRPの割合は生地からパンの焼成工程により低下したが,その多くが残存していることが確認された.クラムとクラストでは,クラストのほうが焼成時の加熱の影響を大きく受けているが,これらの差異は小さかった.また,SDS-PAGEで検出されたRPを構成するタンパクの組成において,生地およびクラム,クラスト間での大きな差異は認められなかった.
1)日本健康医学会雑誌,32,344-345(2023)
2)日本健康医学会雑誌,22,196-197(2013)
【方法】そば末粉を20%配合し,生地のゆで処理を行わないベーグル様の試験パンを焼成した.焼成前の生地と焼成後のクラム及びクラストについて凍結乾燥粉末を調製した.人工胃液及び人工腸液で消化処理した残渣に含まれるタンパク質をRPとして評価した2).消化処理残渣および処理前の凍結乾燥粉末からSDS尿素リン酸バッファーを用いてタンパク抽出を行い,抽出液中のタンパク量を微量分光光度計により測定した.また,各抽出液についてSDS-PAGEを行い,タンパク組成を比較した.
【結果】抽出タンパクにおけるRPの割合は生地からパンの焼成工程により低下したが,その多くが残存していることが確認された.クラムとクラストでは,クラストのほうが焼成時の加熱の影響を大きく受けているが,これらの差異は小さかった.また,SDS-PAGEで検出されたRPを構成するタンパクの組成において,生地およびクラム,クラスト間での大きな差異は認められなかった.
1)日本健康医学会雑誌,32,344-345(2023)
2)日本健康医学会雑誌,22,196-197(2013)