日本食品科学工学会第71回大会

講演情報

一般講演

B 食品機能 (Food Function)

[3Fa] 抗腫瘍、抗炎症、その他食品機能

2024年8月31日(土) 09:00 〜 11:30 F会場 (3F N306)

座長:宮崎 義之(九州大学)、小暮 更紗(城西大学)、矢部 富雄(岐阜大学)

10:45 〜 11:00

[3Fa-08] 糖刺激による唾液腺由来細胞A253の応答性と唾液関連遺伝子発現性の変化

*高尾 哲也1、石澤 ひかり1、寺山 涼葉1、目﨑 みなみ1、青木 三恵子2、高尾 恭一3 (1. 昭和女子大・食健康、2. 高知大・医、3. 日大・医)

キーワード:唾液、糖、A253

【目的】唾液量の低下による口腔の乾燥は、65歳以上の高齢者では半数以上で認められる。唾液量の低下は歯周病増悪、誤嚥等や低栄養に繋がる危険性があることから、唾液分泌を促す事は健康へのリスク低減に有効である。多様な食品や成分に適用可能で唾液分必を促す唾液腺刺激を簡易に測定・評価する方法を開発し、情報提供することが出来れば、QOL向上と健康増進に大きく寄与すると考えられる。しかし人を介さない簡易なモデルは、現在見当たらない。そこで本研究ではモデル細胞を用いた簡易な測定・評価方法の構築を目指して検討を行った。
【方法】本研究では唾液腺刺激モデル細胞としてヒト唾液腺由来細胞A253を使用した。A253株は10%FBSを含むMcCoy's 5A培地を用いて、37℃、5%CO2環境下で培養した。A253を培養後、Ca2+蛍光プローブであるFluo-8を細胞に導入した。導入後いくつかの糖により刺激した。応答性の測定は蛍光マイクロプレートリーダを用いて行った。唾液関連遺伝子であるANO1, AQP5, NOS1, Rab27A, Rab27B, AMYLA, MUC5B, MUC7等の発現性は、刺激後の細胞からtotalRNAを取得し、qRT-PCR法を用いて検討した。
【結果】A253細胞はglucose, fructoseおよびsucroseによる刺激では応答性を示さなかった。これに比し、苦味を有するgentiobioseによる刺激により濃度依存的に応答した。同様にglucose, fructoseやsucroseによる刺激では、唾液関連遺伝子の発現性に変化を認めなかった。gentiobioseによる刺激では、ANO1, NOS1, MUC7, AMYLA等の発現は上昇する傾向を示した。
 本研究は科学研究助成事業(23K01990)および昭和女子大学研究助成金により行われた。