16:45 〜 17:00
[3Ip-11] 減圧マイクロ波乾燥における予備凍結が乾燥果実の空隙構造と力学特性に及ぼす影響
キーワード:減圧マイクロ波乾燥、予備凍結、リンゴ、空隙構造、力学特性
【目的】減圧マイクロ波乾燥(MVD)は,数kPa程度の減圧下において水分の沸点を低下させることで,温度上昇を抑制しつつ水分蒸発に必要なエネルギーをマイクロ波により供給する手法である.現在までに,予備凍結処理によりMVD過程における乾燥中の試料変形を抑止し,多孔質な構造の乾燥物を得られることを確認した.本発表では,異なる条件で得られたリンゴのMVD乾燥品の空隙構造と力学特性の関係性について明らかにすることを目的とした.
【方法】リンゴ果肉部を厚さ10 mmの四分円状に成形し,そのまま乾燥させるものを未処理試料,-20 ℃のフリーザーおよび-40 ℃のブラストチラーで凍結したものを,それぞれ緩慢凍結および急速凍結試料として乾燥試験に供した.MVDでは,マイクロ波反応装置を用いて試料を乾燥した.マイクロ波出力は200 W,内部圧力は1 kPaまたは常圧の2条件とした.乾燥試料の評価として,マイクロX線CT装置を用いた空隙構造評価,物性試験機による力学特性評価および水分活性の評価を実施した.
【結果】乾燥試料の内部空隙率および空隙径は,常圧よりも1 kPa,また急速凍結試料よりも緩慢凍結試料において大きくなる傾向であった.これらの多孔質化した乾燥試料では力学試験において,より低い最大荷重と高い荷重ピーク数を示した.また,試料収縮の大きい乾燥試料ほど高い水分活性を示したことから,乾燥中の試料収縮は水分蒸発を妨げ最終水分率を上昇させるとともに,力学特性の形成にも影響を及ぼしていることが示唆された.
【方法】リンゴ果肉部を厚さ10 mmの四分円状に成形し,そのまま乾燥させるものを未処理試料,-20 ℃のフリーザーおよび-40 ℃のブラストチラーで凍結したものを,それぞれ緩慢凍結および急速凍結試料として乾燥試験に供した.MVDでは,マイクロ波反応装置を用いて試料を乾燥した.マイクロ波出力は200 W,内部圧力は1 kPaまたは常圧の2条件とした.乾燥試料の評価として,マイクロX線CT装置を用いた空隙構造評価,物性試験機による力学特性評価および水分活性の評価を実施した.
【結果】乾燥試料の内部空隙率および空隙径は,常圧よりも1 kPa,また急速凍結試料よりも緩慢凍結試料において大きくなる傾向であった.これらの多孔質化した乾燥試料では力学試験において,より低い最大荷重と高い荷重ピーク数を示した.また,試料収縮の大きい乾燥試料ほど高い水分活性を示したことから,乾燥中の試料収縮は水分蒸発を妨げ最終水分率を上昇させるとともに,力学特性の形成にも影響を及ぼしていることが示唆された.