10:30 〜 10:45
[3Na-06] 食品の咀嚼挙動は塩分量によって変化する
キーワード:咀嚼、塩味、スマートフォン、3Dスキャナー
【目的】
咀嚼は安全な嚥下に必須であり,また化学的,物理的な味を楽しむ過程としても重要である.咀嚼時の食塊形成過程は,様々な方法で研究されているが,口腔環境の多様性により全容把握が困難である.一方,食品の特性は咀嚼挙動に反映されていると考えられ,呈味成分の影響も予想される.何故なら,塩味や甘味により唾液分泌量が変化し,食塊形成への影響が予想されるためである. 我々は食品物性が咀嚼挙動に影響を及ぼすことを明らかにしているが,本研究は,呈味成分が咀嚼挙動にあたえる影響を明らかにすることを目的とした.
【方法】
食塩を添加していないポテトチップス製品を対象食品として実験を行った.本研究室で開発した,咀嚼時の顔表面形状の経時変化を取得可能なシステムを使用し,咀嚼挙動を取得した.製品を塩なしで咀嚼した,また同製品に食塩を1.5 g/袋まで加えて咀嚼した際の咀嚼時の顔の表面形状の経時変化を取得した.得られた咀嚼挙動経時変化のデータを機械学習により分類し,また咀嚼挙動から咀嚼中の食品における塩分量推定も深層学習により実施した.
【結果】
ポテトチップスの咀嚼挙動について塩の有無による顔の各部位の動きを観察したところ,塩の有無や,塩の量で咀嚼挙動が変化する兆候は生データからは明確ではなかった.一方、機械学習では差が明瞭であった.咀嚼時に特に動きの大きい,顎の頂点,唇右,唇左の3点の経時変化に対して,ポテトチップスの塩の有無と咀嚼挙動との対応を学習した結果,塩分量で咀嚼挙動が変化することが分かった.また,本研究手法においては,実際に含まれる食塩量ではなく,ヒト咀嚼挙動を計測しているため, 咀嚼中に感じる塩味知覚強度を反映している,と考えられる.減塩食品の開発において,実際の塩分量とは独立して,ヒトが知覚する塩味を評価可能な客観的な指標として咀嚼挙動を利用できる可能性を示唆している.
咀嚼は安全な嚥下に必須であり,また化学的,物理的な味を楽しむ過程としても重要である.咀嚼時の食塊形成過程は,様々な方法で研究されているが,口腔環境の多様性により全容把握が困難である.一方,食品の特性は咀嚼挙動に反映されていると考えられ,呈味成分の影響も予想される.何故なら,塩味や甘味により唾液分泌量が変化し,食塊形成への影響が予想されるためである. 我々は食品物性が咀嚼挙動に影響を及ぼすことを明らかにしているが,本研究は,呈味成分が咀嚼挙動にあたえる影響を明らかにすることを目的とした.
【方法】
食塩を添加していないポテトチップス製品を対象食品として実験を行った.本研究室で開発した,咀嚼時の顔表面形状の経時変化を取得可能なシステムを使用し,咀嚼挙動を取得した.製品を塩なしで咀嚼した,また同製品に食塩を1.5 g/袋まで加えて咀嚼した際の咀嚼時の顔の表面形状の経時変化を取得した.得られた咀嚼挙動経時変化のデータを機械学習により分類し,また咀嚼挙動から咀嚼中の食品における塩分量推定も深層学習により実施した.
【結果】
ポテトチップスの咀嚼挙動について塩の有無による顔の各部位の動きを観察したところ,塩の有無や,塩の量で咀嚼挙動が変化する兆候は生データからは明確ではなかった.一方、機械学習では差が明瞭であった.咀嚼時に特に動きの大きい,顎の頂点,唇右,唇左の3点の経時変化に対して,ポテトチップスの塩の有無と咀嚼挙動との対応を学習した結果,塩分量で咀嚼挙動が変化することが分かった.また,本研究手法においては,実際に含まれる食塩量ではなく,ヒト咀嚼挙動を計測しているため, 咀嚼中に感じる塩味知覚強度を反映している,と考えられる.減塩食品の開発において,実際の塩分量とは独立して,ヒトが知覚する塩味を評価可能な客観的な指標として咀嚼挙動を利用できる可能性を示唆している.