第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

圧縮センシング-基礎

圧縮センシング-基礎1

2014年9月19日(金) 15:00 〜 15:40 第4会場 (3F 源氏の間北)

座長:伊藤聡志(宇都宮大学大学院工学研究科 情報システム科学専攻)

[O-2-230] CSを用いた小児骨年齢計測の高速化の検討

寺田康彦1, 玉田大輝1, 石圭一郎1, 巨瀬勝美1, 野崎大希2, 金子康仁2, 吉岡大2 (1.筑波大学 数理物質系物理工学域, 2.カルフォルニア大学アーバイン校 放射線科)

【背景】MRIで小児の手の骨を撮像することにより、成長指標である骨年齢を判定可能である。当研究室では、この用途向けの0.3Tオープン型コンパクトMRIを開発し、大規模被験者計測を行った。その際、検査時間は約3分と短かったものの、動きによる偽像が数例みられた。本研究ではこの軽減を目指し、圧縮センシング(CS)を使って検査時間を半分にし、骨年齢判定の妥当性を検証した。
【実験】3.4~15.6歳までの小児78人(平均9.5歳)に対し、筑波大学数理物質系の倫理委員会の許可の下に本人と保護者より書面による同意を得て計測を行った。C型永久磁石(0.3 T、ギャップ幅12 cm)を使用し、3D勾配エコー法(20 cm×10 cm×5 cm、TR/TE = 40 ms/11 ms)により撮像した。比較のため、CSと従来の全サンプリング(FS)(512×128×32、撮像時間2分44秒)とを行った。CSでは2つの位相エンコード方向に密度可変ランダムサンプリングを行い、撮像時間を半分にした。RUS法に基づき、判定者A(放射線科)は2回、B(整形外科)は1回、骨年齢判定を行った。
【結果】FSとCS撮像とで、画質はほぼ変わらなかった(図(a),(b))。FS撮像に基づく骨年齢判定(横軸)と、CS撮像に基づく判定(縦軸)の相関は高かった(図(c))。CSの方がモーションの出現は減少した(図(d))。以上によりCSによる骨年齢計測の妥当性が示された。