日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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ポスター発表(専門領域別)

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運動生理学(偶数演題)/ポスター発表

2023年9月1日(金) 11:00 〜 12:00 RY207 (良心館2階RY207番教室)

[04生-ポ-08] 下肢骨格筋電気刺激トレーニングは血管内皮機能と動脈スティフネスを改善する

*橋本 佑斗1、安藤 創一2、岡本 孝信1 (1. 日本体育大学、2. 電気通信大学)


【背景】習慣的な運動は血管内皮機能や動脈硬化度の指標である動脈スティフネスを改善することが知られている。電気刺激を用いた骨格筋収縮運動(EMS)は骨格筋量や最大等尺性筋力が向上することが報告されている。一方、習慣的なEMSトレーニングが血管内皮機能や動脈スティフネスに及ぼす影響は不明である。【目的】EMSトレーニングが血管内皮機能と動脈スティフネスに及ぼす影響を明らかにする。 【方法】 健康な若年男性34名を対象に、EMS群(12名、23.2±2.1歳)、コントロール(CON)群(12名、22.3±1.4歳)、レジスタンストレーニング(RT)群(10名、21.5±1.0歳)に分類した。8週間のトレーニング前後に測定を実施した。EMS群は腹部、大腿部、下腿部に電極を取り付け、電気刺激の周波数は20Hz、パルス幅は0.25msに設定し、サイクルは2秒の刺激と2秒の休息とした。RT群はレッグプレスを12~8回挙上重量で3セット実施した。血管内皮機能の評価は血流依存性血管拡張反応(FMD)を用いて、動脈スティフネスは上腕-足首間脈波伝播速度(baPWV)を用いて評価した。 【結果】 すべての群において、トレーニング前のFMDおよびbaPWVに有意な差は認められなかった。EMS群のFMDはトレーニング後に有意に増加した(トレーニング前:6.2±1.7 %、トレーニング後:8.0±2.0 %、P<0.01)。CON群とRT群でFMDは変化しなかった。また、EMS群のbaPWVはトレーニング後に有意に低下した(トレーニング前:1152.2±127.1 cm/s、トレーニング後:1069.5±81.8 cm/s、P<0.01)。CON群とRT群でbaPWVは変化しなかった。 【結論】 EMSは血管内皮機能および動脈スティフネスを改善することが示唆された。