14:05 〜 14:25
[1101-08-04] フッ酸を用いないTa, Nbの新製錬―溶融, 浸出および溶解工程における反応機構
司会者:橋本 晃一(JOGMEC)
キーワード:タンタル、ニオブ、フッ化水素酸、硫酸水素アンモニウム、分離
Ta, Nbはコロンバイト鉱石((Fe,Mn)(Ta,Nb)2O6)を始め同一鉱石として産出される。Ta, Nbの高純度精製には溶解, 溶媒抽出によらざるを得ない。しかし, Ta, Nb鉱石は難溶解性であるため, 溶解工程では専らHFが用いられる。HFは安全性, 廃液処理などの観点で問題があるため, これを用いない製錬法が望まれている。著者らは, NH4HSO4を用いたTa, Nbの製錬法の研究を進めている。鉱石とNH₄HSO₄の粉末を混合, 溶融すると溶融塩になる。これを凝固させた後に水を加えると, 水溶液中に白色沈殿が生じる。このとき鉱石中のTa, Nb以外の不純物の大部分は水溶液中に除去される。白色沈殿はTa,Nbの濃縮物で, これはH2SO4やHClなどの非HF系の酸に容易に溶解する。本プロセスは, 鉱石中の不純物を除去しながらTa, Nbの非HF系溶液を得られる画期的なものであるが, 各工程の反応機構が不明であった。本研究では, 各種実験, 分析によって反応機構の解明を試みた。以下Nbの形態のみ抜粋する。溶融工程ではNH₄HSO₄との反応で (NH4)6Nb4O5(SO4)8が生成する。水浸出工程では, 未反応のNH₄HSO₄が溶解することによって最終pHは1.5程度になり, Nbの溶解度はほとんどない。水浸出の過程で生成した白色沈殿はNb(OH)5と推定され, 酸種によらず溶解可能であることと整合が取れる。
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