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[2105-19-10] (学生発表:修士課程)CO2地中貯留効率の向上を目的としたナノ粒子の利用に関する検討
司会者:木下尚樹(愛媛大学)
キーワード:超臨界CO2、ナノ粒子、分散、界面活性剤、超音波処理
CCSにおいて地下に圧入された超臨界CO2は、比重が地層水の比重より小さいため、帯水層の上部へと移動し、遮蔽能力が十分でない帯水層においては漏洩のリスクが懸念される。本研究においては、超臨界CO2にナノ粒子を分散させることによって超臨界CO2のみかけの比重を高め、帯水層に広くCO2を行き渡らせることによって、CO2の貯留効率を向上させることを目的としている。超臨界CO2中での分散性が高いナノ粒子の選定、ナノ粒子の分散性および分散安定性を向上させるためのナノ粒子表面の修飾および攪拌方法などを検討した。なお、本研究では、様々に実験条件を変化させて最適条件をスクリーニングするため、超臨界CO2と同様に非極性有機溶媒であり、常温常圧下で実験に供することができるn-ヘキサンを超臨界CO2の代替溶媒として実験に用いた。まず、SiO2、Al2O3、TiO2ならびにZnOのナノ粒子をそれぞれn-ヘキサンに投入し、マグネティックスターラーで30分間攪拌した後の分散性を観察した結果、TiO2およびZnOのナノ粒子は比較的分散性が高かったものの、攪拌停止1時間後にはすべて沈殿した。これらのナノ粒子にアニオン性およびカチオン性の界面活性剤を付着させ、それをn-ヘキサンに投入して同様の実験を行なった結果、Al2O3ナノ粒子およびZnOナノ粒子にアニオン性界面活性剤を吸着させることによる分散性の向上が観察された。さらに、アニオン性界面活性剤を吸着させたAl2O3ナノ粒子をn-ヘキサン中で超音波照射して攪拌することにより、48時間経過後も分散が維持されていることが確認された。これらの結果から、本研究でスクリーニングを行ったナノ粒子の中では、酸化アルミニウムナノ粒子の分散性が高く、それにアニオン性の界面活性剤を付着させることでさらに分散性が向上し、超音波処理によるナノ粒子同士の凝集体を解消させることにより、さらに分散性の向上が期待できることが明らかになった。
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