資源・素材2023(松山)

講演情報(2023年8月10日付 確定版)

若手・一般ポスター発表(ショート講演)

ポスター発表ショート講演(高温素材プロセッシング)[9/13(水) PM 第4会場]

2023年9月13日(水) 13:00 〜 14:04 [第4会場] 3F EL35(共通講義棟C)

司会者:松浦 宏行(東京大学)

13:48 〜 13:52

[2409-23-13] (学生発表:修士課程)鉄鉱石中有価成分の選択分離プロセス

○鶴 裕功1、酒井 敬太郎1、上村 哲史1、久保 裕也1 (1. 福岡工業大学)

司会者:松浦 宏行(東京大学)

キーワード:揮発分離、アンモニウム塩、高純度Fe、脱炭素、低品位鉱石

製鉄業では、脱炭素社会に向かう世界的な潮流に対応するため、還元剤を石炭から水素やアンモニアに転換する研究が加速している。しかし、融点降下や不純物除去を目的とした石灰石(CaCO3)はやはり大量に必要であり、熱分解過程でCO2が不可避的に発生する。また、鉄鉱石の低品位化も進んでおり、高純度鋼の製造や製鋼スラグ発生量の増加が懸念されている。さらに、製鋼スラグ中にはマンガンやリンなどの戦略資源が含まれているが、CaOが分離を阻害するため未利用のままである。我々は、石炭や石灰石ではなくNH4Clを副原料とした新製鉄プロセスを提案している。本プロセスは鉄鉱石中のFeを塩化鉄(FeCl3)として不純物を含まずに揮発分離させるため、低品位鉱石からでも高純度鋼を製造できる。また、Fe揮発後の残渣にはCaOが含まれないため、マンガン及びリンは容易に資源化できる。本研究では、Fe2O3試薬を用いてFe揮発の最適な条件を調査し、鉱石中の鉄、マンガン、リンの分離に鉱物種がどのような影響を及ぼすか4種の鉱石を用いて実験を行った。その結果、マンガン及びリンの分離は鉱種により異なったが、いずれの鉱石でもFeの90%以上を単独で揮発させることに成功した。

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