資源・素材2023(松山)

講演情報(2023年8月10日付 確定版)

一般講演

【一般講演】 鉱物処理/ 環境[9/13(水) AM 第6会場]

2023年9月13日(水) 09:00 〜 11:50 [第6会場] 3F EL32(共通講義棟C)

司会者:芳賀 一寿(秋田大学)、中島 一紀(北海道大学)

11:10 〜 11:30

[2601-08-07] 休廃止鉱山のズリ堆積場に含まれる亜鉛の化学形態および溶出機構の推定

○西方 美羽1、橋本 洋平2、保高 徹生1、小栗 朋子1 (1. 産業技術総合研究所、2. 東京農工大学)

司会者:中島 一紀(北海道大学)

キーワード:休廃止鉱山、X線吸収分光法、亜鉛

休廃止鉱山やズリ堆積場から排出される重金属類を含む坑廃水は、世界各地で河川や農地、地下水汚染を引き起こしている。日本国内においても多くの休廃止鉱山が存在し、坑廃水処理に要する費用の削減や効率化が求められている。坑廃水処理費用削減や効率化には、坑廃水の特徴だけでなく、重金属の溶出機構の把握が不可欠である。
本研究では、廃水中に基準を超過する亜鉛が含まれているズリ堆積場を調査地とし、ボーリング調査で得られたズリに含まれる亜鉛の化学形態をX線吸収分光法(XAFS)、溶出挙動をカラム試験によって明らかにすることを目的とした。XAFS測定の結果、ズリ中の亜鉛はおもに、硫化物態、硫酸塩態、粘土鉱物と収着した形態で存在していること、特に、高濃度の亜鉛が溶出する試料において硫酸塩態が多く含まれることを確認した。また、カラム試験の結果、ズリが水と接触した直後に高濃度の亜鉛が放出され、水とズリの接触が長くなるにつれて溶出量が減少することが明らかになった。これらの結果から、調査地において、亜鉛の硫酸塩態が主な亜鉛の溶出源であり、雨水や地下水との接触により高濃度の亜鉛が溶出する機構が推測された。

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