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[2701-13-10] (学生発表:修士課程)銅電解精製における銅-カソード不純物対の電気化学測定とその場観察
司会者:安田 幸司(京都大学)
キーワード:銅電解精製、カソード不純物、ガルバニック腐食 、その場観察
本研究では銅電解精製における銅とカソード不純物のガルバニック対の電気化学測定とアノード分極測定時に試料の形態観察を行った。カソード不純物には金、白金、パラジウム、銀を用い、それらの金属線を銅棒に巻き付けた試料をガルバニック対とした。溶液には銅製錬の電解液を模擬した硫酸性硫酸銅水溶液(Cu 50g/L, H₂SO₄ 200g/L)を用いた。アノード分極を行うと、銅の溶出ピーク以降不動態化し、高電位では金属線上から酸素発生を観測した。Cu-Pd、Cu-Ag対は銅の溶解が加速される傾向がみられ、Cu-Pt対も少しだけ加速された。ガルバニック腐食の影響を調査するため銅の溶解電位付近の狭い電位幅-0.2~0.4Vでアノード分極曲線の測定を行った。全試料で溶解電位はほぼ同じであったが、金属種ごとに析出電位に差がありCu-Pd対はその差が一番大きかった。また、Cu-Pt、Cu-Pd対は銅の溶解速度が比較的大きく、Cu-Au、Cu-Ag対は小さかった。不動態化領域における溶解電流を比較すると、Cu-Pd、Cu-Ag対はCu-Cu対より多く流れた。酸素発生開始電位は低い順にCu-Pd、Cu-Pt、Cu-Ag、Cu-Auとなった。以上から、Pdは銅の溶解を加速する傾向にあり、カソード不純物として存在するとガルバニック効果が大きい。逆にAuは銅の溶解が抑制される傾向にあった。
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