[PS01-33] 光る?光らない? マダラガ科幼虫の蛍光色解析
昆虫は外敵から身を護るために様々な防御方法を持つ。その中でも毒のように攻撃的な防御方法を取るものは、自身の危険性をアピールするために赤・黄色・黒など原色を主とした警告色を持つことが多い。マダラガ科のガは国内に18属29種が生息し、多くの種が体内に有毒な青酸配糖体を貯蔵して防御に用いると考えられている。そのため、ホタルガPidorus glaucopisやサツマニシキErasmia pulchellaなどは成虫・幼虫ともに黄色、赤、黒など派手な警告色を持つ。一方で、オキナワルリチラシEterusia aedeaは成虫が派手な斑紋を持つにもかかわらず、幼虫は地味な茶褐色である。しかし、本種の幼虫にブラックライトを当てると青い蛍光を強く発する。この蛍光色は、紫外線を見ることができる鳥類や爬虫類に対しては派手な警告色となる可能性がある。本研究では、オキナワルリチラシを含めたマダラガ数種について、幼虫・蛹・繭・成虫及び幼虫/成虫の分泌物が蛍光を発するか調査したため、種/ステージごとの蛍光の有無と、蛍光を発することの生態学的意義について議論する予定である。