[P29-05] トウモロコシサイレージを含む発酵TMRの肥育牛への給与が飼料摂取量、消化性および第一胃内性状に及ぼす影響
【目的】トウモロコシサイレージ（CS）は，高い栄養価を持つものの，和牛生産においては積極的な利用が行われていない．本試験では，CSの配合水準が異なる発酵TMRを調製して発酵品質を調査するとともに，その肥育牛への給与が飼料摂取量，飼料消化性および第一胃内性状に及ぼす影響を調べた．【方法】CSの配合水準が異なる（0，15，30および45%）TMRを4種作成し，フレコンバックに封入してサイレージ調製を行った．後述の給与試験の際に開封し，飼料成分および発酵品質を調べた．貯蔵期間は50～133日であった．給与試験は，黒毛和種去勢牛4頭（開始時体重524.0kg，月齢17.6ヶ月）を供試し，4種の発酵TMRを給与する区（C00，C15，C30およびC45区）を設けて，4×4ラテン方格法で行った（馴致期14日，本試験期6日）．本試験期には指示物質法による消化試験を行い，胃液の採取を最終日に行った．【結果】全ての発酵TMRは，良好な発酵品質（Vスコア90以上）を示したが，CSの配合量が増えるとpHが上昇し，乳酸含量が低下した．給与試験では，C15区の乾物摂取量が最も低く，C30区のTDN摂取量が最も高かった．消化率では，各区の乾物消化率には差が無かったが，繊維の消化率がCSを含むTMRを給与する区で高かった．胃液性状では，CSの配合量が増えるにしたがって，pHが上昇し，有機酸生成量が減少した．