The 71th Annual Meeting of JSFST

Presentation information

Young Scholars and International sessions (Poster presentation)

若手の会ポスター発表

[PA] Poster Presentation Awards / International Poster Award for Young Researcher

Thu. Aug 29, 2024 9:00 AM - 5:00 PM Poster room (Tower-75 2F Student Hall)

[PA-115] Ability of Wild Yeast MC87-46 to assimilate isomaltose

*takuya okura1, numanami rin1, sakai maya1, kojima takaaki1, akao takeshi2, simizu motoyuki1, kato masashi1 (1. Meijo University Faculty of Agriculture , 2. National Research Institute of Brewing)

Keywords:Saccharomyces cerevisiae, isomaltose, transcription factor

【目的】

日本酒は,醸造に用いる酵母Saccharomyces cerevisiaeの種類によって味と香りが変化する.本研究室で開発した名城大ブランド清酒「華名城(はなのしろ)」は,カーネーションから単離した野生酵母“MC87-46”を用いて醸造しており,清酒造りにおいて広く利用されている「きょうかい酵母」“K701”を用いて醸造した清酒に比べて,イソマルトースを多く含み,甘みを有している.これは,MC87-46がイソマルトースを十分に資化できないことに起因する.本研究では,K701に比べて,MC87-46のイソマルトース資化能が低い原因を明らかにすることを目指す.

【方法】

S.cerevisiaeのイソマルトース資化に必須であることが明らかになっているイソマルターゼIMA1のリコンビナントタンパク質を,MC87-46とK701それぞれで調製し,活性を比較した.また,K701とMC87-46のima1およびイソマルトーストランスポーターであるagt1の転写量をqRT-PCRにより定量した.さらに,次世代シーケンサーを用いてMC87-46の全ゲノム配列を解析した.

【結果】

MC87-46とK701それぞれのIMA1の比活性に違いはなかったが,K701に比べMC87-46のima1転写量は低かった.また,全ゲノム解析より,ima1agt1の転写因子であるMal63pのオルソログに違いがあることが明らかとなった.MC87-46のMal63pに比べて,K701のMal63pではC-末端が欠失していた.Mal63pのC-末端部分は転写調節に関与している可能性があるため,K701ではMal63pの転写能が亢進し,ima1agt1の転写量が過剰に増大することでイソマルトースが分解・資化されていると考えられた.現在,それぞれの株由来のMal63pによる転写調節機構について詳細に解析している.